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国際関係

国際会議

第113回IPU会議派遣報告

 第113回IPU会議は、2005年10月17日(月)から19日(水)までの3日間、ジュネーブ(スイス連邦)のジュネーブ国際会議センターにおいて、130のIPU加盟国、6の準加盟国際議会、27の国際機関等から1,093名(うち、議員548名)が参加して開催された。

 参議院代表団は、衆議院議員5名、同事務局職員及び同時通訳員とともに、日本国会代表団(団員23名。団長・谷津義男衆議院議員、団長代行・玉沢徳一郎衆議院議員、副団長・藤野公孝参議院議員)を構成し、会議に参加した。

 第113回IPU会議の詳細については「第113回IPU(列国議会同盟)会議概要」に譲ることとするが、本報告書では、参加参議院議員の活動に重点を置きつつ、本会議、参議院議員が出席した「平和及び安全保障委員会」及び「持続可能な開発、金融及び貿易委員会」、評議員会等についてその概要を報告する。

1.会議の開会

10月17日午後の本会議冒頭、セルヒオ・パエス・ヴェルドゥーゴIPU議長(チリ上院議員)から今次会議の開会が宣言された。

2.本会議

 本会議は10月17日午後から19日午後にかけて連日開催され、以下の議題について審議が行われた。

 議題1 第113回会議の議長の選挙

 17日午後、トーゴ代表の推薦に基づき、パエスIPU議長が今次会議の議長に選任された。

 議題2 会議議事日程への緊急追加議題挿入要請の審議

 17日午後、アンダース・B・ジョンソンIPU事務総長から、今次会議開会前にインド、メキシコ及びパキスタンの3か国からそれぞれ緊急追加議題挿入要請があり、調整が行われた結果、一本化がなされたとの報告があった。報告の後、3か国を代表してパキスタンから議題案「自然災害:災害の防止、回復、復興及び影響を受けやすい人々の保護における議会の役割」が提案され、趣旨説明が行われた。同議題案は、全会一致で今次会議の緊急追加議題として採択され、本会議議事日程に議題7として追加された。

 議題3 国民への客観的情報、特に武力紛争及びテロとの戦いに関する情報提供のため、議会及びメディアが果たすそれぞれの役割

 19日午後の最終本会議において、平和及び安全保障委員会(第1委員会)によって起草された決議案が提出され、同決議案は全会一致で採択された。

 採択された決議は、報道の自由は絶対的な権利ではないものの、民主主義の基本的要件の一つであることを強調するとともに、各国議会に対し、自国政府がテロ及び武力紛争に係る出来事について、公平で正確かつ検証可能な情報を提供していく責任を果たすよう尽力することを求める内容となっている(決議の全文は別添参照)。

 議題4 移住と開発

 19日午後の最終本会議において、持続可能な開発、金融及び貿易委員会(第2委員会)によって起草された決議案が提出され、同決議案は全会一致で採択された。

 採択された決議は、各国政府に対し、あらゆる移住者の基本的人権の尊重を保障し、人身取引・搾取・暴力等女性移住者に係る問題に対処するとともに、移住問題に関する各国の協力体制を樹立することを求める内容となっている(決議の全文は別添参照)。

 議題5 民主主義の成熟及び発展のため、市民社会と国会その他民主的に選挙された議会との間の相互作用の重要性

 19日午後の最終本会議において、民主主義及び人権委員会(第3委員会)によって起草された決議案が提出され、同決議案は全会一致で採択された。

 採択された決議は、各国議会に対し、貧困との闘いを強化するNGOの取組に協力することを求めるとともに、各国議会及び政府に対し、民主主義への参加的性格を極大化するため、自国の市民社会との建設的な相互作用の促進に努めるよう要請する内容となっている(決議の全文は別添参照)。

 議題6 第115回IPU会議の議題の採択と報告委員の指名

 19日午後の最終本会議において、前述した3委員会からそれぞれ第115回IPU会議(2006年10月)の議題及び報告委員(各委員会所管分)について提案があり、すべて承認された。

 議題7 自然災害:災害の防止、回復、復興及び影響を受けやすい人々の保護における議会の役割

 18日午前、日本を含む14か国の代表者等計17名による演説が行われた後、19日の最終本会議において、ワーキンググループ(インド、インドネシア、メキシコ、南アフリカ及びスイスの代表で構成)によって起草された決議案が提出され、同決議案は全会一致で採択された。

 採択された決議は、被災者の苦痛を軽減するため、被災後の再建・復興努力をタイムリーに、協調して重点的に行うこと及び効果的な国際的防災戦略を確立することの必要性を強調する内容となっている(決議の全文は別添参照)。

3.平和及び安全保障委員会

 平和及び安全保障委員会(N・エル・ガネム委員長(シリア))は、10月17日午前から19日午前にかけて連日開催され、前述の議題3について審議を行った。同委員会には参議院から島田議員が出席した。

 1回目の全体会合(17日)では、共同報告委員(ハンガリー及びインド)から、同委員作成の報告書及び決議案について概要説明がなされた後、日本を含む55か国の代表者等計63名の演説が行われた。

 また同日、決議案に対して各加盟国等から提出された修正案について審議するため、日本、アルジェリア、ベルギー、ベナン、デンマーク、ガーナ、イスラエル、パキスタン、ロシア、ベネズエラ及びザンビアの11か国の代表により構成される起草委員会の設置が決定された。

 起草委員会は、翌18日に開催され、引き続き島田議員が出席した。起草委員会の協議の結果、修正案全112件のうち68件について、案文どおり又はその一部が採用された。さらに起草委員会は、決議案の題名について、「特に武力紛争及びテロとの闘いに関する公平で正確かつ検証可能な情報を国民に提供する上での議会及びメディアのそれぞれの役割」に修正すべしとの勧告を委員会全体会合に対し行うことを決定した。

 19日には、再度委員会全体会合が開催され、起草委員会作成決議案について審議が行われた。同決議案については、決議案全体としての反対はなく、題名を起草委員会の勧告に従って変更した上で、委員会が本会議に提出する決議案として全会一致で採択された。

4.持続可能な開発、金融及び貿易委員会

 持続可能な開発、金融及び貿易委員会は、欠席した委員長に代わり、I・ウドレ第一副委員長代理(ラトビア)が委員長職を務め、10月17日午前から19日午前にかけて連日開催され、前述の議題4について審議を行った。同委員会には参議院から藤野議員が出席した。

 1回目の全体会合(17日)では、共同報告委員(メキシコ及びスイス)から、同委員作成の報告書及び決議案について概要説明がなされた後、日本を含む46か国の代表者等計55名の演説が行われた。日本代表として藤野議員が演説し、我が国がこれまで外国人労働者の受入れに消極的であったとの認識を示し、今後は幅広い分野で外国人労働者の受入れを推進していく必要があると述べた。また、移住問題に関して、関係諸国間での地域協力プロセスの拡充・強化の重要性を強調するとともに、人身取引問題に関して、我が国議会の取組を紹介した上で、被害者の送り出し国・受入国間で共同管理を行う仕組みの構築、協議と対話の継続の必要性を訴えた。

 また同日、決議案に対して日本を含む各加盟国等から提出された修正案について審議するため、カメルーン、チリ、ガーナ、インド、インドネシア、メキシコ、モロッコ、ニジェール、ナイジェリア、ルーマニア、スイス及び英国の12か国の代表により構成される起草委員会の設置が決定された。

 起草委員会は翌18日に開催され、協議の結果、修正案全96件のうち40件について、案文どおり又はその一部が採用された。日本が提出した4点の修正案、すなわち、

(1)決議前文に、『六つの国際機関、すなわち、国連薬物犯罪事務所(UNODC)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、国際移住機関(IOM)、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)、国連貿易開発会議(UNCTAD)及び国際労働機関(ILO)の長が、移住問題を定期的に協議するための「ジュネーブ移住グループ」を非公式に組織したことを歓迎し、』との新たなパラグラフを追加する、

(2)前文パラグラフ18について、移住分野における地域的・多角的協力枠組みの例として、「バリ・プロセス」との文言を追加する、

(3)本文パラグラフ10について、「各国政府に対し、移住に関する国際条約を批准・遵守するよう奨励する」との表現を「各国政府に対し、移住に関する国際条約を批准又は批准に向けた準備をするよう奨励する」との表現に修正する、

(4)本文パラグラフ12について、「移住者の出身国への送金に係る費用の軽減を目的とした施策の導入」との表現を「移住者の出身国への送金に係る費用の軽減を行うとともに、送金を移住者の出身国の開発に結び付けることを目的とした政策の導入」との表現に修正する、

のうち、(1)の提案は採用されたものの、(2)、(3)及び(4)については、委員の共通認識とはならず、採用には至らなかった。

 19日には、再度委員会全体会合が開催され、起草委員会作成決議案の逐条審議が行われた。同会合では、本文パラグラフ5について、(1)起草委員会が作成した表現ではなく、共同報告委員作成決議案の本文パラグラフ3をベースとした表現とする修正案及び(2)共同報告委員作成決議案に対するスウェーデン提案のとおり文言の一部削除を行う修正案の2案が提案された。それぞれ表決に付された結果、前者は了承され、後者は了承されなかった。また、本文パラグラフ14について、文言を一部削除する修正案が提案され、了承された。さらに、本文パラグラフ21について、共同報告委員作成決議案に対するメキシコ提案のとおり文言の追加を行う修正案が提案され、了承された。この本文パラグラフ21に対し日本は留保を表明した。

 同決議案については、決議案全体としての反対はなく、委員会が本会議に提出する決議案として全会一致で採択された。

5.第177回評議員会

 第177回評議員会は、10月18日及び19日に開催され、参議院から藤野議員が評議員として出席した。審議の主な内容は、以下のとおりである。

 イ IPU加盟資格に関する問題

 モルディブの加盟申請、マダガスカル及びドミニカの再加盟申請並びにモーリタニアの加盟資格停止が承認された。その結果、IPU加盟国数は143か国となった。

 ロ 2006年度活動計画案及び予算案

 総額1,054万5,500スイスフラン(日本円で約9億2,800万円)に上る予算案が承認された。日本の分担金は123万2,990スイスフラン(約1億850万円)となった。

 ハ 国連との協力

 IPU事務局から第2回世界議長会議について報告を聴取した後、藤野議員が同会議の準備及び会議の成果に対して、扇参議院議長からのメッセージとして感謝の意を述べた。

 ニ 今後のIPU会議

 第114回IPU会議を2006年5月7日から12日までナイロビ(ケニア)において、第115回IPU会議を同年10月16日から18日までジュネーブにおいて、WTOに関する議員会議を同年11月にジュネーブにおいて、第116回IPU会議を2007年4月29日から5月4日までバンコク(タイ)においてそれぞれ開催すること等が承認された。

 ホ IPU規約及び規則の改正

 分担金の滞納を理由に資格停止となった加盟国の再加盟に際し、酌量すべき特別の事情がある場合には、個別に検討して滞納金の一部又は全部の免除を可能とする規定を追加することを内容とするIPU財政規則改正案が正式に承認された。

 ヘ 執行委員選挙

 閣僚就任により議員の身分を失ったS・ウェチャーチワ執行委員(タイ)の後任の選挙が行われ、アジア・太平洋地域グループの推薦に基づき、L・ルークサムラン議員(タイ)が選任された。任期は2007年10月までとなる。

 ト IPU議長選挙

 任期満了に伴うIPU議長選挙の投票が行われ、230票を獲得したピエル・フェルディナンド・カジーニ候補(イタリア下院議長)が、107票のギールト・ヴェルスニック候補(ベルギー)を破り当選した。任期は2008年10月までとなる。

6.アジア・太平洋地域グループ会合・特別会合

 特別会合は10月16日午前に開催され、参議院から藤野議員及び島田議員が出席した。同会合では、IPU議長候補のヴェルスニック氏及びカジーニ氏の演説を聴取した後、それぞれ質疑応答が行われた。島田議員は前者に対して、また藤野議員は後者に対して、現在IPU加盟資格停止中の米国を復帰させるための方策等について見解をただした。

7.ASEAN+3会合

 ASEAN+3会合は10月16日、右記の特別会合終了後に開催され、参議院から引き続き藤野議員及び島田議員が出席した。審議の主な内容は、以下のとおりである。

 イ 起草委員会委員の推薦

 第113回IPU会議の各常設委員会の起草委員について藤野議員が発言し、日本は全委員会の起草委員に立候補する旨を表明し、支持を求めた。各国からも立候補が表明されたため、関係国間で協議を行った結果、第1委員会及び第3委員会は日本及びタイ、第2委員会はインドネシア及び韓国が本会合の推薦を受けることとなった。

 ロ 執行委員の欠員補充

 ウェチャーチワ執行委員の後任について、柳在乾議員(韓国)及びルークサムラン議員の2名が立候補を表明していたところ、投票に付すことを避け、話合いで候補を一本化すべきとの意見が出された。しかし、両候補とも譲るところがなかったため、両候補から演説を聴取した上で、判断については後述のアジア・太平洋地域グループ会合での選考にゆだねることとなった。

8.アジア・太平洋地域グループ会

 アジア・太平洋地域グループ会合は10月16日、ASEAN+3会合終了後に開催され、参議院から藤野議員及び島田議員が出席した。審議の主な内容は、以下のとおりである。

 イ 起草委員会委員の推薦

 各国から立候補が表明され、関係国間で協議を行ったところ、第1委員会は日本及びパキスタン、第2委員会はインドネシア及びインド、第3委員会は日本及びオーストラリアが本地域グループの推薦を受けることとなった。

 ロ 執行委員の欠員補充

 投票が行われた結果、ルークサムラン候補が柳在乾候補を破り、本地域グループの推薦を受けることとなった。

9.その他

 参議院代表団は、会議期間中、現地において、韓国代表団、英国代表団、ASEAN+3各国代表団の女性議員等との懇談の機会を持ち、相互理解及び友好親善の促進に努めた。

【別添】第113回IPU会議採択決議

特に武力紛争及びテロとの闘いに関する公平で正確かつ検証可能な
情報を国民に提供する上での議会及びメディアのそれぞれの役割

(2005年10月19日(水)、本会議にて全会一致で採択)

第113回IPU会議は、

(1)武力紛争及びテロは国際の平和及び安全保障にとって深刻な脅威であると認め、

(2)あらゆる形態及び表現によるテロを防止・阻止する必要があることを認識し、

(3)テロとの闘いにおいて協力と共通の理解を強化する必要があることを強調するとともに、コフィ・アナン国連事務総長が「より大きな自由を求めて:全ての人々のための安全、開発、及び人権に向けて」と題された2005年3月の報告書(A/59/2005)で第60回国連総会終了までにテロに関する包括的な条約を締結するよう求めたことに留意し、

(4)さらに、テロに関する包括的条約を締結し、テロに関する国際的に認められた定義について合意する必要性に関して、第2回世界議長会議(ニューヨーク、2005年9月7~9日)でコンセンサスにより採択された「国際関係における民主主義ギャップの克服:議会の役割の強化」と題された宣言の結論を想起し、

(5)IPUが、第95回IPU会議(イスタンブール、1996年)、第105回IPU会議(ハバナ、2001年)、第107回IPU会議(マラケシュ、2002年)で採択した決議を通じて、特に各国の社会的及び政治的安定を脅かすもの、民主的機構のグローバルな発展への脅威、市民の安全及び個人的自由への攻撃として国際テロを非難し、全ての国に対し、テロ及びその社会的、政治的、経済的原因に取り組む適切な措置を講じるよう求めていることを想起し、

(6)さらに、テロ行為により惹起される国際の平和及び安全保障に対する脅威に関する国連安全保障理事会の諸決議も想起し、

(7)あらゆる手段により、国連憲章、世界人権宣言、関連の国連人権諸条約に従い、国際テロによる世界平和及び国際安全保障への脅威と闘う必要があることを強調し、

(8)自爆テロから身を守る必要があることを含め、国際法及び生命の不可侵性を尊重する必要があることを認識し、

(9)テロとの闘いと同じくらいテロの原因を未然に防止することが重要であること、また、これは政府、議会、そして間接的にはメディアの役割であると認識し、

(10)テロ行為は主に市民社会の構造及び結合を破壊することを目的としているため、市民社会はその開放性、人道性、あるいは人権及び個人の権利・自由へのコミットメントを損なわずに市民社会の価値に対するこうした攻撃に対応しなければならないことを自覚し、

(11)国内武力紛争またはテロ状況に直面している国々の政府及び議会に対し、暴力を停止し、社会的結合を回復し、国民の平和及び和解を強化するために必要なあらゆる憲法上の措置を講じるよう働きかけるとともに、一部の国々でこのためにすでに講じられているイニシアティブを歓迎し、

(12)テロという人類にとっての新種の感染症との闘いはグローバルなものでなければならず、また、価値及び希望の共同体としての国際社会全体が関与するものでもなければならない(というのも、テロにもはや国境は存在しないとすれば、また、テロがグローバル化の原則そのものを利用するとすれば、テロと闘う戦略も、協調して行動しなければならない各国政府間の、各国議会間の、そして各市民社会関係者間の、緊密な協力を伴うグローバルなものでなければならないからである)ことを認識し、

(13)国内的及び国際的なテロと闘う議会の姿勢は強固かつ厳格でなければならないこと、また、いかなる原因も、無辜の人々を標的とする以上、人道に対する犯罪であるテロの利用を正当化できないことに留意するとともに、各国議会人に対し、人気を得、その大義を促進しようとするテロリストの試みを助長、サポート、支援する可能性のあるいかなる公的ないし私的な行動も差し控えるよう求め、

(14)各国議会は、必要な法律を制定し、その履行を監視し、十分な財政資源を割り当てることにより、武力紛争及びテロの防止及び回避で決定的な役割を果たすことにも注意を喚起し、

(15)世界各国の議会及び議会人は、国内的及び国際的協力を通じて、特に武力紛争及びテロとの闘いに関する情報を国民に伝えるという目標の推進に主要な貢献をなすことができると確信し、

(16)各国議会に対し、議会審議及び討議の放送を推進するよう促し、

(17)第161回IPU評議員会(カイロ、1997年)で採択された「世界民主主義宣言」が、「民主主義国家は、意見及び表現の自由を前提とする。かかる権利は、干渉なしに意見を保持し、また、あらゆるメディアを通じ、制限なしに情報及び思想を求め、受け、また与える自由を意味する。」と強調していることを想起し、

(18)各国議会は国民への説明義務を負っており、自らの評価に基づいたテロまたは武力紛争に関する立場を伝える必要があること、また、各国議会は報道機関及びメディアがどの程度までテロ及び武力紛争について自由に報道すべきかを決定する上で主要な役割を果たすことに注意を喚起し、

(19)メディアは国際的にも国内的にも特に重要な役割を果たすこと、また、この役割は政策当局及び議会により十分に考慮されなければならないことを認識し、

(20)報道の自由は民主主義の基本的要件の一つであること、また、メディアは社会的及び民主的生活上の自らの役割を忘れず、市民に公平で正確かつ検証可能な情報を提供することにより、議会人及び国民が十分な情報を踏まえた上で決定するのを助けなければならないことを再度強調し、

(21)とはいえ、表現の自由は、憎悪、人種差別、外国人嫌い、人権侵害の扇動を正当化できる絶対的権利ではないことを強調し、

(22)異なる意見の持ち主を尊重することが重要であることを強調し、

(23)情報及び通信が社会及び民主的生活の発展にとって重要な役割を果たすようになっている現在、メディアには法的な権利義務ばかりでなく市民及び社会に対する倫理的責任もあることを認識し、

(24)メディアは非暴力的な対話及び効果的な通信チャネルの公認の場になり得ることを再確認し、

(25)各国議会及びメディアは諸国民間の理解及び協力の推進を支援することが可能であり、文明間の対話、寛容、理解を促進することにより、武力紛争及びテロの防止・阻止に貢献できると確信し、

(26)武力紛争及びテロの問題を解決するために必要とされる多面的かつ長期的な戦略に関する合意作りには、これらの問題について十分な情報を踏まえた上での公開の議論が行われる必要があることを確認し、

(27)世界中で可能な限り強力な影響力と最大の注意を獲得するためにテロリストがメディア、特にインターネットを未曾有の規模で活用していることを自覚し、

(28)武力紛争及びテロの状況を取材するジャーナリストに対する攻撃が行われていること、また、多くのこうしたジャーナリストが不当に拘束されていることを深く憂慮するとともに、これらの行為は表現の自由及び情報の自由を侵害していることを強調し、

(29)世界中の様々な武力紛争及びテロ活動において多くのジャーナリストが殺害され、さらに多くのジャーナリストが拘禁されていることを強く非難し、

(30)危険性の高い状況で、男女を問わず、ジャーナリストが勇気を示していることに感謝し、

公平で正確かつ検証可能な情報を提供する上での議会の役割

1.各国議会に対し、テロリストが言うところの大義が直接的にも間接的にも称揚、礼賛、理想化されないよう注意深く配慮することにより、制約のない報道がテロリストに与えるかもしれない利点を抑制しつつ、メディアによる武力紛争及びテロの公平で正確かつ検証可能な報道を強化する方法及び手段を模索していくよう促す。

2.まだそうしていない各国議会に対し、各国及び類似の活動を所管する各組織・機関間の司法援助及び情報交換を通じた国際協力を中心に、特に国境を越えた金融取引においてテロを防止・根絶するとともに、しばしばテロ資金の温床となる資金洗浄、麻薬密売、不正武器取引、組織犯罪と闘うための強力な規定を法律に盛り込むよう促す。

3.IPUの全ての加盟国議会に対し、自国及びその市民の前に、自国の国内法及び国際的義務に基づき、国内法並びに武力紛争及びテロを根絶・防止するために締結されている国際的取極の履行及び実施を監督する責任を引き受けるよう強く促す。

4.さらに、各国議会に対し、委員会その他のメカニズムを利用して政府機関が武力紛争及びテロを伴う状況において市民保護を適切に行っているかどうかを緊密に監視するよう促す。

5.各国議会に対し、メディアの番組及び広告内容が憎悪、人種差別、外国人嫌い、人権侵害を扇動したり、法令上の基準及び秩序を侵したりしないよう、メディア団体と協議して適切な法的措置を講じるよう求める。

6.各国議会に対し、自国政府がテロ及び武力紛争に係る出来事について公平で正確かつ検証可能な情報を提供していく責任を果たすよう尽力することも求める。

7.人権を「生ける現実」とし、もって世論を啓発し、国民が特にテロ及び武力紛争を伴う状況下で自身の権利を認識するのを支援していく必要があることを強調する。

公平で正確かつ検証可能な情報を提供する上でのメディアの役割

8.メディアに対し、武力紛争及びテロを伴う状況における様々な事象について公平で正確かつ検証可能な情報を提供するよう促す。

9.メディアに対して、武力紛争及びテロに関する報道のための自主的な行動規準または適切な指針の採用を検討するよう勧告する。

10.情報の自由は武力紛争及びテロの犠牲者の人間としての尊厳を最大限尊重しつつ行使しなければならないことを強調する。

11.人間の虐待や死をインターネットやマスメディアで見せるなど、極端に暴力的なイメージの放送を非難する。

12.メディアに対し、武力紛争及びテロとの闘いに関する未確認情報を入手した場合にはその情報源を注意深く確認するよう促す。

13.メディアに対し、より多くの社会的注目を集めたり、人々を扇動したりするためのテロリスト及びテロ組織の声明を取り上げることを拒否するよう促す。

14.さらに、メディアに対し、例えば武力紛争やテロの悪影響を受けている人々が意見を表明したり、相互尊重、協力、和解を強調することにより対話空間を創造できる革新的な番組を制作するなどして、平和構築活動を促進するかもしれないものを利用したり、和解を唱導したり、寛容及び非暴力の価値及び人のコミュニティがともに暮らすことを求める声などを賞賛したりすることにより、平和構築活動で役割を果たすよう勧告する。

15.テロを生み出す環境づくりにつながる諸問題に社会が対処できるよう、メディアは民主主義の基本的要素である開かれた議論や討論を助長していく上で役割を果たすべきであることを強調する。

16.特に若者を対象とした、武力紛争及びテロ行為に関するメディアコンテンツを批判的かつ情報を踏まえた上で受け取ることができるようにするための教育プログラムを推進する必要があることを強調する。

17.各国政府、議会、メディアに対し、若者がテロ活動に引きずり込まれないように支援するよう求める。

18.メディア及び各国議会に対し、国が非常事態を宣する場合、こうした行為は法の支配の原則に従わねばならず、したがって国際法及び人道的権利を尊重しなければならないことを国民に知らせるよう促す。

武力紛争及びテロと闘うための議会間協力

19.世界各国の議会人に対し、テロ行為により惹起される国際の平和及び安全に対する脅威に関する国連安全保障理事会の諸決議に従い、テロ対策における国際協力を促進する上で自らの役割を果たすよう求める。

20.議会は武力紛争及び国際テロに関して定期的に討議する必要があること、また、メディアはこの討議を適切に報道する必要があることを強調する。

21.この分野における効果的な法的措置の実施に関する議会間の情報及び経験の交換を強化する必要があることを表明するとともに、IPUは武力紛争及びテロ関連の問題に関するメディアの客観性を高めることを支持する役割を果たしていることを強調する。

22.議会は社会の多様な属性及び意見を体現し、この多様性を政治プロセスに反映し、政治プロセスへとつなぐ優れた機関であること、また、議会の目標の一つは、社会的結合及び連帯を強化するため、多様性と画一性及び個人と集団の対立的な志向間の緊張を緩和し、そのバランスをとることにある、ということを再確認する。

23.第109回IPU会議(ジュネーブ、2003年)が各国議会に対して「真の平和実現に向けた行動を推進する手段として常設の紛争予防・解決メカニズムの創設を容易にするため国内で」全力を尽くすよう求めた要求を再度強調する。

24.各国議会に対し、国家的、地域的及び準地域的レベルで安定、和解、平和的開発を促進する政府及び政府間の機構、メカニズム、プロセスを支援し、その中での議会の役割を強化していくよう求める

移住と開発

特に武力紛争及びテロとの闘いに関する公平で正確かつ検証可能な
情報を国民に提供する上での議会及びメディアのそれぞれの役割

(2005年10月19日(水)、本会議にて全会一致*1で採択)

第113回IPU総会は、
(1) ・1994年にカイロで採択された国際人口・開発会議の「行動計画」、とりわけ国際移住に関する第10章、

・1995年に採択された社会開発サミットの「社会開発に関するコペンハーゲン宣言」及び「行動計画」、
・1995年の第4回世界女性会議で採択された「行動綱領」、
及び ・国連総会第24回及び第25回特別会議の成果文書
   を想起し、

(2) ・国際移住と開発に関する決議59/241、

・女性移住労働者に対する暴力に関する決議58/143、
・移住労働者等権利保護条約に関する決議59/262、
・普遍的な移動の自由の権利及び家族の再統合の重要性の尊重に関する決議59/203
・移住者の保護に関する決議59/194、
・第60回国連総会ハイレベル全体会合の要項・形式・組織に関する決議59/145、
及び
・国際移住と開発の多元的側面を討議し、その開発利益の極大化と望ましくない効果の極小化を図る適正な方途・手段を特定するために、国連総会のハイレベル対話を国際移住と開発の問題に充てることを決定した決議57/270B、58/190及び58/208
等、関連するすべての国連総会決議を想起し、

(3)国際移住問題については、共同責任を原則としつつ、同時に移住の根本原因と結果に対しても焦点を当てるような全体的かつ整合的なアプローチを必要としていることを認識し、

(4)人身取引被害者の人権侵害問題を扱った「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する人(特に女性及び児童)の取引を防止し、抑止し及び処罰するための議定書」及び移住者の密入国斡旋業者の処罰の必要性を取り上げた「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する陸路、海路及び空路により移民を密入国させることの防止に関する議定書」(両議定書とも「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約」を補完するものである)を想起し、

(5)すべての国には、移住者の地位に関係なく、あらゆる移住者及びその家族の基本的人権及び基本的自由を促進・擁護する義務があることを再確認し、また「世界人権宣言」に謳われている諸原則を再確認するとともに、「人種差別撤廃条約」、「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」、「市民的及び政治的権利に関する国際規約」、「女子差別撤廃条約」、「児童の権利条約」並びに「1949年の移民労働者条約(改正)(第97号)」及び「1975年の移民労働者(補足規定)条約(第143号)」を想起し、

(6)「移住労働者等権利保護条約」を想起し、

(7)1951年の「難民の地位に関する条約」及び1967年の「難民の地位に関する議定書」の諸原則並びに難民の保護を強化する必要性を再確認し、

(8)難民及び国連高等難民弁務官事務所(UNHCR)の関心事である亡命希望者、帰国者、国を持たない人々などの懸念すべき人々に保護と持続的な解決策を提供する国際的な保護制度を強化しつつ、同時に難民受入国の保護能力を強化する必要性を再確認し、

(9)また、非正規移住は、特別な注意を要する様々な要素により引き起こされることが多いことを認識し、

(10)しかしながら、グローバリゼーションの枠組みにおいて、様々な多国間貿易イニシアティブが自由市場の統合を深化させ、商業的な国境を開放し、財、資本及び投資の移動に対する貿易の障壁を撤廃又は削減させつつある一方で、地理的な国境はますます閉ざされつつあり、その結果、ある国から別の国への人々の循環及び移動に対する権利及び選択肢が制限されていることに留意し、

(11)先進国は高齢化が進み、出生率の低下を経験しつつあること、移民は将来の経済的繁栄を確保する上で重要な要素となり得ることを認識し、

(12)移民の新たなパラダイム、すなわち円環的・暫定的移民は、送出国及び受入国の開発のてことなる可能性を示していることを強調し、

(13)他の重要な国内的・国際的要因のうち、多くの諸国間相互に見られる経済的・社会的格差の拡大とグローバル化・自由化の恩恵的効果の不均等性を一因とする一部諸国におけるおきざり現象が、諸国間の人々の正規・非正規フローの増大を助長してきていることを認識し、

(14)移住者が開発に寄与する貢献度の大きさを認識し、また移住と開発の複雑な相関関係を認識し、

(15)国際移住のグローバルな側面が、移住現象に対する理解の向上と、移住の利益を極大化し、そのマイナス効果を極小化する適切な方途・手段の特定を目的とした対話と協力を必要としていることを強調し、

(16)女性及び児童の移住者数の増加並びに搾取及び虐待に対する特別の脆弱性を認識し、

(17)出身国・通過国・目的地国が、あらゆる移住者がいかなる種類の搾取又は差別も受けることがないように、また、あらゆる移住者及びその家族、とりわけ女性移住労働者及び移住児童の基本的人権及び尊厳が尊重・保護されるように確保する必要があることを認識し、

(18)移住者に対して殺人的暴力を行使する集団及び組織犯罪と関連して薬物を取引する集団の出現など、極端な形態の外国人排斥及び人種主義がもたらすマイナスの効果を認識するとともに、それらの台頭を遺憾とし、

(19)国際移住は移住者とその家族並びに受入国及び多くの出身地域共同体に多大な利益をもたらしてきたことを認識し、

(20)多くの国にとって主要な外貨獲得源の一つであり、内発的な開発政策及び国際協力の代替物にはなり得ないものの、貧困削減に大いに貢献し当該国の開発ポテンシャルを増大させている移住労働者による送金の重要性に留意し、

(21)また、寛容と相互認識への全般的なコミットメントが、移住者の効果的統合を助長し、移住者に対する差別・排外主義・暴力を防止しそれらと戦うことを助け、受入社会において尊重・連帯・寛容を促進することにも留意し、

(22)とりわけHIV/エイズその他の感染症の蔓延との関連で、移住と医療問題とのつながりに対し特別の注意が払われるべきであること、また、移住者の保健サービス・治療への機会の欠如が移住者・受入社会の双方にとって保健リスクを高めることを認識し、

(23)国際移住に関するグローバル委員会の国連事務総長への報告及び国際移住と開発に関する国連事務総長報告(A/59/325)に留意し、2006年に移住と開発に関するハイレベル対話を実施するとした国連総会の決定を歓迎し、

(24)六つの国際機関、すなわち、国連薬物犯罪事務所(UNODC)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、国際移住機関(IOM)、国連人権高等弁務官事務所(UNCHR)、国連貿易開発会議(UNCTAD)及び国際労働機関(ILO)の長が、移住現象を定期的に協議するための「ジュネーブ移住グループ」を非公式に組織したことを歓迎し、

(25)移住問題に関する非拘束的国家間協議プロセスの場を提供し得る移住分野における地域的・多角的協力枠組みを創設しようとする諸国によるイニシアティブを歓迎し、

(26)非政府組織(NGO)その他の市民社会主体を始めとする基幹的な社会主体との相互交流が、移民受入政策・プログラムを充実させることを認識し、

(27)移住フローの面では、いかなる国であれ、出身国・通過国・目的地国のいずれかの範疇に同時に属する可能性があること、また、各国政府及び議会が移住政策の策定において主たる役割を果たすことを認識し、

1.各国政府に対し、国際社会との協力の下、ミレニアム開発目標(MDGs)達成に向けての取組を強化し、それによって人々を移住に追い込む貧困、人間の活動による環境への悪影響、国際法の不適用、農業補助金の存続、ODAの不足並びにグッドガバナンス及び法の支配の欠如等の諸要因の除去に貢献するよう強く要求する。

2.各国議会に対し、外国で得た金銭的、人的及び社会的資本が出身国の利益となるように、円環的・暫定的移住の動きに対処する移住政策の具体化及び実施を支援するよう要請する。

3.各国議会に対し、移住政策について国内の関係省庁と他の政府関係機関との間の調整が確実に行われるよう要求する。

4.各国政府に対し、国際社会の支援の下、途上国の熟練労働者の移住(頭脳流出)問題について、ミレニアム開発目標、とりわけ保健及び教育に関連する目標の達成の展望に及ぼす影響の観点から取り組むこと、並びに財政補填又は開発援助のためのメカニズムの構築の可能性について二国間及び多国間で検討するよう要請する。

5.また、各国政府に対し、世界経済の開放性・自由化の高まりと協調しつつ、適宜管理下にある雇用機関に関与させながら、暫定的・円環的移住スキームを検討すること等により、自国労働市場への正当なアクセス・ルートを移住者のために拡大することによって、当該市場の開放の可能性を模索するよう要請し、また各国政府に対し、国内法に基づき非正規移住者に恩赦を与えるとともに、移住者の帰国を助長・支援するよう奨励する。

6.更に体系的かつ包括的な移住政策が非正規移住を抑止するために必要とされていることを再確認する。

7.移住者が世界レベルで直面している諸問題は、政治:移住者を表現及び参加の権利を持つ少数派と認識すること、経済:受入国の経済成長への貢献を認めること、文化:新たな社会化と表現のパターンの創設に貢献することの三つの側面を有することを認識する。

8.各国議会及び政府に対し、目的地国が移住者の現地語習得の支援、意見の相違・差別・絶望感がはびこりやすいゲットー(スラム街)の発生の予防などすべての移住者の新たなコミュニティへの統合を目的とする政策を取ることを説得するよう奨励する。

9.各国政府は、テロリズムと闘うために講じる一切の措置が、国際法上の責務、とりわけ人権法・移住法・難民法・国際人道法に関する国際条約上の責務を遵守したものとなるように確保しなければならないことを再確認する。

10.また、各国政府は、移住者の地位に関係なく、あらゆる移住者及びその家族の基本的人権に対する尊重を保証しなければならないことを再確認する。

11.受入国が可能であれば帰還プロセスにおいて同一家族のすべての構成員の一体性を維持するよう要求する。

12.移住によって女性の権利剥奪や搾取を招くことのないようにするため、世界レベルで高まりつつある移住者の女性化は移住関連政策に適切に反映される必要があることを強調する。

13.移住者の出身国、通過国及び目的地国に対し、女性に対する差別的な政策・慣行を特定し、移住プロセスにおいてジェンダーの不平等が再生又は悪化しないようにするため、最悪の形態の搾取であり移住者、特に女性及び子供の基本的権利の侵害である人身取引及び密輸と闘うために、移住フローの管理において協力するよう要求する。

14.移住者の出身国及び目的地国に対し、女性の文盲率の高さを考慮し、コミュニケーションスキルの向上を目的とする言語訓練プログラムを策定することによって、労働者か社会奉仕者かを問わず、女性移住者の統合を促進するよう奨励する。

15.各国政府に対し、移住及び人身取引に対するジェンダーに配慮したアプローチを推進するとともに、女性移住問題全般の特殊な側面、特に女性及び少女の取引に対処するために必要な行動を取るよう要求する。

16.各国政府及び議会、とりわけ移住者の出身国及び目的地国の政府及び議会に対し、外国人労働者、とりわけ女性移住者に対する搾取及び攻撃を止めさせ、女性移住労働者に対する暴力の加害者に刑事罰を科す法律を制定し、暴力の被害者に十分な支援及び保護を提供するよう要求する。

17.さらに、各国政府に対し、移住児童、とりわけ同伴者を伴わない未成年者と人身取引の被害に遭った児童に特段の配慮を払い、適切な支援及び保護を提供するよう要求する。

18.各国政府に対し、移住者に対する排外主義・暴力と闘い、受入社会に対する移住者の積極的な貢献をアピールするためのキャンペーンを立案・実施するよう奨励する。

19.メディアに対し、移住者の誤ったイメージ及び否定的なステレオタイプの普及を避けつつ、移住関連問題について責任を持って報道するよう要求する。

20.各国政府に対し、とりわけ非正規移住の分野において、二国間・地域間・グローバルな協力に力点を置いた移住と開発に関する集会・会議の開催等により、移住問題に関する各国の政策の整合性を高め、協力体制を樹立するよう要求する。

21.各国政府に対し、移住に関する国際条約、とりわけ移住労働者等権利保護条約を批准・遵守するよう奨励する。

22.各国政府に対し、NGOその他の市民社会主体を始めとする基幹的な社会主体に移住政策の立案・実施への参画を呼び掛けるよう要求する。

23.各国政府に対し、法律で拘留・退去が認められていない人々が移住者の拘留・退去に加わっている状況を避けるよう奨励する。

24.軽減された費用による、移住者の出身国への安全、無制限かつ遅滞のない送金を確実にすることを目的とした政策の導入及び施策の実施の必要性を再確認する。

25.また、各国政府、援助提供コミュニティ及びすべての利害関係者は、国際援助公約を遵守するとともに、合意された経済的・社会的開発目標の履行及びすべての人権の尊重というより広い文脈の中で、より整合的な形で国際移住と開発の問題に取り組む必要があることを再確認する。

26.各国政府、国連事務総長及び国連システムのあらゆる関連組織・機関・基金・プログラム、並びにその他関連する政府間・地域・準地域の組織体に対し、義務とされている不断の活動において、より全体的かつ整合的な形で国際移住と開発の問題に対処するために、国際難民保護制度と国際移住政策との間の峻別を尊重するよう要求する。

27.また、国連事務総長及び国連システムの関連組織・機関・基金・プログラム、並びにその他関連する政府間・地域・準地域の組織体に対し、現在の統計的データ・将来トレンドの分析を始めとする移住と開発の数々の側面に関する調査研究に継続的に資金を提供するよう要求する。この点で、国際レベルでのデータ比較を可能にすることの重要性を強調する。

28.IPU事務総長に対し、2006年に開催される国際移住と開発に関する国連ハイレベル対話に、本決議を、当該対話における協議へのIPUの貢献の証しとして送付するよう要請する。

*1
オーストラリア代表団は、前文パラグラフ10及び本文パラグラフ5について留保を表明した。
南アフリカ代表団及びスリナム代表団は、HIV/エイズの蔓延に関する前文パラグラフ22について留保を表明した。加えて南アフリカ代表団は、本文パラグラフ16について留保を表明した。
ラトビア代表団及びグルジア代表団は、財政補填のためのメカニズムの構築に関する本文パラグラフ4について留保を表明した。
アイスランド代表団、ルクセンブルグ代表団、ニュージーランド代表団及びスウェーデン代表団は、本文パラグラフ5の後段について留保を表明した。
日本代表団は、本文パラグラフ21について留保を表明した。
タイ代表団は、本文パラグラフ27及び28について留保を表明し、すべての国において、議会の積極的な関与と国連の資金援助を得て、移住と開発に関する行動計画を策定する必要性があると訴えた。

民主主義の成熟及び発展のため、市民社会と国会その他
民主的に選挙された議会との間の相互作用の重要性

(2005年10月19日(水)、本会議にて全会一致で採択)

第113回IPU会議は、

(1)市民社会と国会その他の民主的に選挙された議会との間の相互作用へ誠実かつ積極的に取り組むことは、適切に管理運営されれば、平和、正義、繁栄の確保に寄与し、市民参加を促し、各代表機関の実効性と各国政府の正当性を高める長期的な政治的投資となることを認識し、

(2)民主主義と市民社会との密接なつながり、そして民主主義の発展と強化、発展過程で求められる変革の導入における市民社会の役割を強調し、

(3)民主主義的な制度の中で、議会は、様々な市民社会と透明で自由な対話を行う特権的なフォーラムであることを認識し、

(4)前向きで建設的な相互作用と対決的、操作的、又は隠れた動機によるか、そうなる関係であることの間には常に本質的な相違があることを確認し、

(5)この相互作用を後押しする際には国家的及び国際的な両側面、並びに、これとともに、民主主義の発展及び成熟化のために、各国は現在行われている市民社会との協力を見守るばかりでなく促進する必要があることも考慮しなければならないことに留意し、かつ、政治的プロセスとしての民主主義の成熟化とその参加的性格のダイナミックな連携はかかる相互作用により強化できると認識し、

(6)人的及び社会的資本は民主化プロセスの原動力かつ主要な要素であり、財政的及び物的資本と同じ重要性を有することから、教育を通じた市民の人材育成の重要性を認識し、

(7)世界各国の議会には、市民間の信頼、相互信用、互恵主義の絆を強化する国民主導的な社会経済政策の基礎を提供するとともに、合法的に設立された政府の転覆ではなく民主主義の推進を唯一の目的とする、適切、透明で、法的に検証可能な資金を確保する責任があることを確認し、

(8)第161回IPU評議員会(カイロ、1997年9月)で採択されたIPU世界民主主義宣言及び第98回IPU会議(カイロ、1997年9月)で採択された「議会と国民の緊密な関係創出による恒久民主主義の確立」の決議を再確認し、

(9)権力機構と意思決定への女性の完全参加を確実にし、意思決定とリーダーシップへの参加のための女性の能力を高める政策を各国政府に奨励した「北京宣言及び行動綱領」を想起し、またこれに関連して、地域・国際レベルで女性の市民運動(NGOs)が直接民主主義の発展のために行っている重要な貢献を認識し、

(10)世界人権宣言その他の国際的及び地域的な規約及び条約に従い集会、結社、表現の基本的自由を保障する法的な規定を通じて確保される、市民社会の繁栄のための環境づくりが、議会と市民社会の交流の土台となるべきであると確信し、

(11)透明性と説明責任(アカウンタビリティ)を確保し、市民社会組織の活動に関わる法律を制定する政府の権利を確実にする、国家と市民社会とのバランスの取れたパートナーシップの必要性を強調し、

(12)市民社会の草の根的、自主的側面を強調するとともに、地域により市民社会の構造に大きな相違があることに留意し、

(13)市民社会は今や地球規模、社会的、経済的な大勢力へと発展しつつあり、その活動は社会奉仕、教育、健康、人権、コミュニケーション、情報など極めて幅広い領域に及んでいることを強調し、 (14)市民社会組織の独立性を保持する必要性とともに、市民社会組織が非合法的な思惑を進める外国の利害に吸収されないことの重要性を強調し、

(15) 議会と市民社会の創造的な相互作用は、特に自国の様々な団体と政府機関、公共機関、民間企業、一般の人々の橋渡しをする上で重要であると認識し、

(16)市民社会組織と政府の資金上の関係は、同化への圧力と、市民社会組織の独立性と多様性を危うくしかねない市民組織と有権者との関係の衰退を避けつつ、必要な支援を提供するために構築される必要がある事を確認し、

(17)市民社会の抑圧又は操作により民主主義を害する恐れのある勢力が、不寛容な政府や不寛容なイデオロギーから生まれてくる可能性を自覚し、

(18)貧困、失業、腐敗および機会の欠如は市民の自由を制限し、これによって民主的権利を支持する社会組織の統合を阻害し、民主主義体制全体が弱体化することを自覚し、

1.市民社会と議会その他の民主的に選挙された議会の相互作用を後押しすることは、貧困の根絶に資するばかりでなく、最貧困層でも自国で一般的な民主的生活を送れるようにすることにもつながり、また最貧困層に権利を与えることによって、政治の豊かさ、信頼性が高まり、民主主義制度とプロセスの正当性が強化されることになると主張する。これに関連して、世界各国の議会に対し、貧困との闘いを強化することで万人が市民社会の発展に実際に参画できる機会を得られるようにするNGOの取り組みに、協力するよう呼びかける。

2.政治的・社会的多元性を完全に肯定することによってのみ、すべての市民の基本的権利と自由の享受が実現し得ることを強調する。

3.各国議会及び政府に対し、自国民主主義について参加的性格を極大化するため、自国の市民社会との建設的な相互作用の促進に努め、その際特にIT技術の有効活用を推進し、地域間のデジタル・ディバイドを解消するとともに、ジェンダーに配慮した予算編成に市民社会組織を参加させるよう要請する。

4.世界の議会人に対し、市民参加及び若者を含めた市民への教育を促進するプロジェクトを開始・実行し、もって市民社会に立法機関の運営及び機能並びに民主主義維持への市民参加の重要性について教育するよう求める。

5.各国議会とIPUに対し、上記のプロジェクトの実行と成果に関する情報、経験、ベストプラクティスを共有するための仕組みを作ることを呼びかける。

6.さらに、世界各国議会に対し、市民社会の交流を促進し、かつ非政府組織(NGO)の独立性及び多様性を保障するとともに、その支援が原理主義及び不寛容に基づくイデオロギーに由来する市民社会組織が奨励されないようにしつつ、自主的組織の登録又は一体化を容易にするような、現行の国内法に則った柔軟な社会政策、及び立法を推進するよう求める。

7.また、各国議会に対し、法的に独立した主体として登録、一体化する市民社会組織の権利を保障するために、市民社会組織に関わる法律を定期的に見直すよう要請する。

8.民主主義を成熟化する上では市民社会の公平な資金調達が必要であり、この必要性から公的セクター、民間セクターとも、同化への圧力を生じさせず、また市民組織と各個人との関係を蝕むことなく、よって市民社会組織の独立性と多様性が持続するような形で市民社会と協力することにより、前向きの発展に貢献する大きな機会が与えられることを強調する。

9.全ての国に対し、歴史があり、順当に確立された組織のみならず、社会から最も取り残された地域や村落の新しい民主的な運動や団体も保護し、さらにこうした環境の中で寛容と共存のための闘いを支援するよう求める。

10.各国議会に対し、市民社会を促進する法律、政策、規制を通じて、政治的表現のあらゆる建設的なチャネル、人権の促進及び人的資本への投資を支援し、必要な場合には強化するよう強く促す。

11.透明性と説明責任(アカウンタビリティ)は市民社会にとってきわめて重要であり、管理及び自律メカニズム、さらには国内的及び国際的行動規準の策定はこの点の大幅改善につながり得ることを再度強調する。

12.各国議会に対し、法律を制定するとともに、市民社会と協力して、民主主義に対する内からの脅威である腐敗と闘うために議会に課せられたすべての対策を採用し、そして国連腐敗対策条約関連の交渉等、腐敗防止のための議論を促進することを求める。

13.各国議会に対し、企業セクター及び非政府組織(NGO)の代表者に、特にミレニアム開発目標の追求や環境保護、債務救済などの分野における長期的コミットメントに関して協力を強化するあらゆる方法を模索したり、NGOが様々な分野の開発に参加・貢献するのを妨げている障害を特定し、排除したりするための政策対話への参加を求めるよう促す。

14.各国議会及び政府に対し、国家政策と調和する、市民社会組織が雇用創出及び経済開発で果たす役割を支援し、市民組織のこの分野の知識を活用するよう求める。

15.各国議会及び政府に対し、必要とされる支援、訓練、技術援助の提供及び市民社会との永続的対話を促進する公聴会その他の活動の実施により、市民社会の発展及び強化を奨励するよう促す。

16.各国議会に対し、一般の意見がよりよく政治に反映されるようにするとともに、実施された対策や、対策を取らないことの明確な説明を含む、アドボカシーへの組織だった対応を行う(そしてNGOに対しては、政府への働きかけを促す)ことで、参加へのインセンティブを強化し、あらゆるレベルの市民参加の重要性について有権者に啓蒙するため、NGO(社会的弱者を代表するNGOを含む)との継続的な連絡窓口の創設に参加するよう求める。

17.各国議会に対し、議会機能の遂行において、市民社会との効果的な対話を可能にする規則や手続きを採択するよう要請する。

18.議会人が、選挙区レベル(そこに有権者に受け入れられる議会のプレゼンスを確立することにより)、全国レベル、国際レベルそれぞれにおいて、情報通信技術を利用するなどして、市民社会組織の関係者および市民全般と直接接触できる場を作ることの重要性を強調する。

19.IPUに対し、市民社会と密接な関係を築き、IPUの一般への周知向上を図る新たな総合メディア戦略の採用により、IPUが世界各地で市民社会の促進に貢献していることをアピールするよう勧告する。

20.各国議会に対し、ベストプラクティスの確実な実行のために、経験の共有や意見の交換を行うことで、市民社会グループ間の積極的な交流を奨励するよう促す。

21.各国議会に対し、それぞれの政府と協力して、自由、法の下の平等、結社の自由といった民主主義的価値を教えることを推進するプログラムを策定するよう要請するとともに、これらの価値は、組織だった、十分な情報を与えられた社会において最も擁護され、尊重されることを強調する。

22.各国議会と政府に対し、法律が市民にとって明確で理解しやすい文言で書かれるとともに、市民と市民組織の関係者が自らの法律上、憲法上の権利と民主主義プロセスへの参加についての責任を認識できるよう要請する。

23.各国議会に対し、メディアと市民社会及び一般社会のための情報通信政策との関係が、発展的であり、透明で、信頼と相互尊重、社会の最善の利益に基づいているよう奨励する

自然災害:災害の防止、回復、復興及び影響を受けやすい
人々の保護における議会の役割

(2005年10月19日(水)、本会議にて全会一致で採択)

第113回IPU会議は、

(1)近年の自然災害の度重なる発生とその増大する影響により世界各地で膨大な人命が失われるとともに社会的、経済的及び環境面で長期的な悪影響が生じていることに深い憂慮の念を表明し、

(2)第108回IPU会議(サンティアゴ、チリ)及び第112回IPU会議(マニラ、フィリピン)で採択された自然災害に関する決議を想起し、

(3)人間の安全性を確保することが極めて重要であること、また、自然災害への脆弱性を低減すべく既存の科学的及び技術的知識の開発・利用を継続する喫緊の必要性があることを認識するとともに、自然災害に効果的に対処できるよう開発途上国が関連の技術にアクセスできる必要があることを強調し、

(4)2005年10月8日の大地震により南アジアで5万人を超える死者が出るとともに数千人の重傷者及び甚大な物的被害がもたらされたことに心を痛め、

(5)2005年8月及び9月にハリケーンがアメリカ合衆国の諸州を、台風が日本を襲った際に、また、2005年10月初めにハリケーンがメキシコ及び中米の一部の国々を襲った際に、人命が失われるとともに物的被害が生じたことにも心を痛め、

(6)アフリカの一部地域で飢饉その他の自然災害により人命が失われるとともに破壊がもたらされていることにも心を痛め、

(7)ご遺族及び被災国の国民、議会、政府に心より哀悼の意を表し、

(8)地震による破壊に対処する被災国の努力及び国際社会による協調的な救援・救助努力を高く評価し、

(9)犠牲者に人道援助を提供する上で国連、国連専門機関並びに国際機関が果たしている役割も高く評価し、

(10)自然災害への脆弱性を低減するなど、災害への備え及び管理が持続可能な開発の実現に寄与する重要な要素であることを強調し、

(11)国家レベルの効果的な防災戦略の確立とこの目標を達成するための能力を構築する上では2005年1月18日~22日に神戸(日本)で開かれた防災世界会議で採択された兵庫宣言及び兵庫行動枠組2005-2015が重要であることを強調し、

(12)自然災害により深刻な被害を受けるのは女性、子供その他の社会的弱者であること、また、被災後これらの人々の苦痛を軽減することに特に配慮する必要があることを認識し、

(13)自然災害に被災した人たち、特に子供たちの精神的トラウマを取り除くには、各国政府、世界保健機関(WHO)、国連児童基金(UNICEF)、非政府組織(NGOs)により提供される様々な支援を通じての心理的な援助及びカウンセリングが必要とされることを強調し、

(14)国による災害管理能力の構築支援と被災後の再建・復興では各国及び国際機関を含む国際社会のコミットメントが極めて重要であることも強調し、

(15)地震被害を受けた南アジアの地域社会の救援、再建、復興に向けた援助を提供していくためには国際社会の継続的なコミットメントが必要であることも強調し、

1.自然災害の被災者及びコミュニティ、特に2005年10月8日に南アジアを襲った破壊的な地震の被災者及びコミュニティとの連帯を表明し、

2.効果的な国際的防災戦略を確立するとともに被災後の救助・救援・再建・復興活動に向けたコミットメント及び努力を行う必要があることを確認し、

3.IPUの全ての加盟国議会及び関連の国際機関に対し、自然災害に効果的に対処するために各国が利用できる人的及び物質的資源に関するデータベースの構築を検討するよう求め、

4.各国議会に対し、自国政府に早期警報システムの構築、避難センターの設置、迅速かつ効率的な災害報告メカニズムの確立を推進する防災措置の策定を通じて能力構築を可能にすることを促すよう求め、

5.被災者の苦痛を軽減するため被災後の再建・復興努力をタイムリーに、協調して、重点的に行う必要があることを強調し、

6.議会は被災地の復興・開発努力のために国家資源を動員する上で重要な役割を果たすことができることを強調し、

7.国際援助は被災地の再建・復興・開発努力において国家資源を効果的に補完できることも強調し、

8.救援・再建・復興努力では女性、子供その他の社会的弱者のケア及び発達を専門的に行うプロジェクトに重点的に取り組むべきであることを強調し、

9.救援・救助活動及び被災地の長期的な再建・復興局面でNGOが重要な貢献をしていることを高く評価し、

10.各国に対し、世界各地の様々な気候現象と環境保護の間には相関関係があること、また、全ての国が大気及び水域への汚染物質の大量排出・放出、森林伐採、自然資源浪費などの環境への影響を削減する行動及びグローバル・プログラムを遂行する責任を負っていることを認めると約束するよう求め、

11.鳥インフルエンザ及び人インフルエンザのための国連コーディネーターの努力に対する支援を表明するとともに、IPU加盟国議会に対し、必要な資金の調達と情報及びガイダンスの国民への適切な普及を確保する上で自らの役割を果たすよう促し、

12.各国に対し、中立性と公平性の原則に基づき、各国の主権、領土保全、国家的統一を完全に尊重して人道援助の提供を律する国際的枠組みを構築する重要性を認めると約束するようにも求め、

13.IPUの全ての加盟国議会に対し、本決議に盛り込まれている勧告を実行に移すための行動を迅速にとるよう求める。