質問主意書

第213回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一三第七五号
  令和六年三月二十九日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員神谷宗幣君提出地方行政への国の介入強化に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員神谷宗幣君提出地方行政への国の介入強化に関する質問に対する答弁書

一及び二の後段について

 「ポストコロナの経済社会に対応する地方制度のあり方に関する答申」(令和五年十二月二十一日地方制度調査会)において、「個別法は、これまで発生した災害、感染症のまん延等の事態や、その対応に当たり生じた課題等を踏まえて、備えるべき事態を適切に想定し、必要な規定を設けており、その見直しも重ねられている。しかしながら、今般の新型コロナ対応や、近年の自然災害の発生状況は、個別法において想定されていなかった事態が生じること、こうした事態であっても国と地方が連携し、総力を挙げて取り組む必要があることを、改めて認識させるものであった。これらの課題を踏まえると、まずは、個別法において備えるべき事態を適切に想定し、必要な規定が設けられ、これによって、個別法及び地方自治法上の国等の権限が適切に行使されるようにする必要がある。その上で、国と地方公共団体の間及び地方公共団体相互間の関係に関する地方自治法の規定について、平成十二年の地方分権一括法によって構築された一般ルールを尊重しつつ、大規模な災害、感染症のまん延等の国民の安全に重大な影響を及ぼす事態において、国民の生命、身体又は財産の保護のため、国・地方を通じ的確かつ迅速な対応に万全を期す観点から、所要の見直しを行う必要がある。」とされており、今国会に提出している地方自治法の一部を改正する法律案(以下「改正法案」という。)はこれを踏まえたものである。

二の前段について

 お尋ねの「検討」については、第三十三次地方制度調査会(令和四年一月十四日から令和六年一月十三日まで設置)における調査審議等により行われている。また、お尋ねの「全国知事会や市町村長関係団体との意見交換、公述意見の聴取など」については、例えば、学識経験者のほか地方六団体の代表者等により構成される同調査会における全国知事会、全国市長会及び全国町村会等からの意見聴取等が行われている。

三について

 お尋ねの「大規模な災害、感染症のまん延その他その及ぼす被害の程度においてこれらに類する国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」については、特定の事態の類型を念頭に置いたものではなく、また、ある事態がこれに該当するか否かについては、当該事態の規模、態様等に即して判断されるべきものであるため、「具体的な想定」についてお答えすることは困難である。

四について

 お尋ねについては、改正法案による改正後の地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の二十六の三第一項等の規定に基づき、これらの規定に基づく関与等を行う主体が、事態の規模及び態様、当該事態が発生する可能性の程度等に即して判断することとなる。