質問主意書

第213回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一三第一八号
  令和六年二月十六日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員浜田聡君提出外国人の国民健康保険の低額な保険料とその医療給付によって日本国民たる一般加入者の負担につながること等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田聡君提出外国人の国民健康保険の低額な保険料とその医療給付によって日本国民たる一般加入者の負担につながること等に関する質問に対する答弁書

一及び三について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、国民健康保険は、被保険者全体の相互扶助により成り立っている仕組みであり、加入の要件を満たす御指摘の「外国人留学生」を含め、個々の被保険者の負担能力や受益の程度に応じて保険料を賦課することとし、その安定的な財政運営を確保することが重要であると認識している。その上で、国民健康保険は、社会連帯と相互扶助の理念等に基づき、国籍のいかんを問わず等しく保障を及ぼすべきであるという我が国の社会保険制度の基本的な考え方に照らし、日本国内に住所を有する者に適用することとされ、「外国人留学生」を含む外国人についても、適正な在留資格を有し、住所を有している場合には、原則として適用対象としているところであり、御指摘の「提案・要望を踏まえて、具体的な取組を行う」、「民間の医療保険加入を義務づける」又は「医療保険にかかる制度を別途国の責任において構築する」べきとは考えていない。

二について

 御指摘の「国民保険料」は国民健康保険料(地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の規定による国民健康保険税を含む。以下同じ。)のことを指すものと理解した上で、また、御指摘の「法令に違反」の具体的に指し示す範囲が必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、御指摘の「在留許可については取り消しを行う」制度は、出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)に規定されておらず、お尋ねの「取り消された例」はない。

 なお、同法第二十二条の四に規定する在留資格の取消制度については、当該制度における在留資格の取消事由は、同条第一項各号に掲げられているところ、国民健康保険料の未納については、同項各号のいずれの事由にも該当せず、お尋ねのような国民健康保険料の未納によって在留資格が取り消されることとはなっていない。

 また、在留資格の取消制度は、偽りその他不正の手段により同法第九条の規定による上陸許可の証印等を受けた者等に効果的に対処するために設けられたものであり、このような観点から、適切な在留資格の取消事由の在り方については、必要に応じて検討していくこととしている。