質問主意書

第213回国会(常会)

質問主意書

質問第七七号

岸田内閣が掲げる少子化対策におけるEBPMが明確ではない可能性等に関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和六年三月十九日

浜田 聡


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   岸田内閣が掲げる少子化対策におけるEBPMが明確ではない可能性等に関する再質問主意書

 今国会において私が令和六年二月八日に提出した「岸田内閣が掲げる少子化対策におけるEBPMが明確ではない可能性等に関する質問主意書」(第二百十三回国会質問第二七号)の答弁(内閣参質二一三第二七号)を受けて、以下質問する。

一 答弁の一についてでは、「政府としては、個人の希望に応じた支援を行うことが重要と考えており、これが結果として御指摘の「合計特殊出生率を引き上げること」につながっていくものと考えている。」とあるが、個人の希望は当然ながら千差万別であり、どのような支援を行う事が少子化対策に繋がり、ひいては国益に資するかは、政府が客観的な調査分析資料に基づき決定するものである。政府が考える「合計特殊出生率を引き上げること」に繋がる支援とは具体的に何を指すのか、根拠と併せて示されたい。

二 これまで政府が少子化対策を目的として行った政策を全て示されたい。

三 前記二の政策のうち、合計特殊出生率との相関関係が認められた等、合計特殊出生率へ何らかの影響があったと政府が認めた政策はあるか。ある場合は影響があったことを示す統計データ等、根拠と併せて全て示されたい。

四 答弁の三及び四についてでは、「少子化の背景には、個々人の結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む様々な要因が複雑に絡み合っていることから、特定の施策と合計特殊出生率との間に「因果関係」が「ある」とは言えないものと考えており、」とあるが、特定の政策と合計特殊出生率との因果関係を示せるかどうかは、統計的因果推論における統計データの収集や実証実験、調査を行う等で検証しないと分からないのは当然の事である。これまで政府において、前記二の政策のうち、合計特殊出生率との因果関係の有無を検証するために行った調査や実証実験、収集した統計データ等はあるか。あれば全て示されたい。

五 前記四について、因果関係ではなく、相関関係の有無を検証するために行った調査や実証実験、収集した統計データ等はあるか。あれば全て示されたい。

六 政府のEBPMの取組のうち、前記二の政策のEBPMの推進のためにこれまで使われた予算額を年度ごとに示されたい。また、令和六年度の予算額はいくらか示されたい。

七 平成十五年七月に議員立法として成立した少子化社会対策基本法に基づいて行われてきた政策について、少子化対策に有効である政策であると特定するための統計的検証はこれまで実施されたか。実施された場合は実施した検証について全て示されたい。実施されていない場合はその理由を示されたい。

 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。

  右質問する。