質問主意書

第213回国会(常会)

質問主意書

質問第三三号

不法滞在外国人が国内に滞在し続けることをNHK専門解説委員が肯定している記事に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和六年二月十五日

浜田 聡


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   不法滞在外国人が国内に滞在し続けることをNHK専門解説委員が肯定している記事に関する質問主意書

 令和五年六月九日、NHKWeb内に設けてある「解説委員室」に於いて、NHK専門解説委員である二村伸氏は次のように解説している。

「斉藤法務大臣は九日、「ルールを守らない外国人を放置すれば共生社会実現の障害となりかねない」と述べました。しかし、在留資格がないという理由だけで有無を言わせず突き放すのでは寛容で多様性のある共生社会は望めないのではないでしょうか。」

 この二村専門解説委員の解説は法治国家にあるまじき発言であると考える。二村専門解説委員は「在留資格がないという理由だけで有無を言わせず突き放す」ことを否定的にとらえているが、在留資格なしで国内に滞在することは不法滞在に該当する。欧米各国では不法滞在の外国人が少なからず治安の悪化を引き起こしている事例が多数報道され、また日本国内でも川口市をはじめとして不法滞在外国人が日本国民に懸念を与える事件がしばしば報道される現況において、法に基づいた在留資格の有無は国民の安全を守るうえで重要事項であると言える。

 上記の記事について質問する。

一 前記の二村専門解説委員による解説記事は、入管法等の法律より、不法滞在外国人の人権を優先しなさいと読者に啓発している記事であり、法治主義の否定、そして日本国民の安全を脅かすことに繋がる解説記事であると考えるが、当該記事に関する政府見解如何。

二 「NHK倫理・行動憲章」には、「コンプライアンスを徹底します」とあり、また「行動指針」の「コンプライアンスを徹底します」という遵守項目には「行動や判断を常に自問し、法令・社会のルール、内部規程の順守を徹底します」とある。

 二村専門解説委員による前記解説記事は、入管法等の法律より、不法滞在外国人の人権を優先しなさいと読者に啓発している記事である。これは「法令・社会のルール、内部規定の順守を徹底します。」に反しており、前記の「NHK倫理・行動憲章」のコンプライアンス違反に該当する可能性があると考えるが、政府見解如何。

 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。

  右質問する。