質問主意書

第212回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二一二第一四三号
  令和五年十二月二十六日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出教員の働く環境を改善し、教員不足を解消するための施策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出教員の働く環境を改善し、教員不足を解消するための施策に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の「教員不足」は、重要な課題であると認識しており、その解消に向けて、「経済財政運営と改革の基本方針二〇二三」(令和五年六月十六日閣議決定)において、「働き方改革の更なる加速化、処遇改善、指導・運営体制の充実、育成支援を一体的に進める」とされていることも踏まえて取組を進めているところ、教員に対する奨学金の返還に係る支援については、同方針において、「速やかな検討」を行うこととされており、これを踏まえ、現在、文部科学省において検討を進めているところである。

二について

 御指摘の「一定の強制力を持って上限を課した上での定数改善」の意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねについては、令和五年十月六日の閣議後記者会見において、盛山文部科学大臣が「今年の四月に公表した勤務実態調査の速報値では、児童数が少ない小規模な小学校教師の持ちコマ数は多いんですけれども、在校時間は意外に短い、逆に、大規模校など教師が担任する児童数が多いほど、教師の持ちコマ数が少なくても、逆に在校等時間が長い、そんなことでございますので、持ちコマ数だけで教師の勤務負担を測るというのはまず難しいのかなと思います。そういったこともありまして、教師一人当たりの授業の持ちコマ数については、国が一律に上限を設けるのではなく、特定の教師に過度な負担が生じないよう、例えば、持ちコマ数が多い教師には、その他の校務分掌を軽減するなど、各教育委員会や学校の実態に応じて柔軟に対応すべきものである」と述べたところである。その上で、政府においては、教育の質の向上を図るとともに、学校における働き方改革を推進するため、教職員定数の改善を図っているところである。