質問主意書

第212回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二一二第一三四号
  令和五年十二月二十六日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出災害時の業務継続計画に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出災害時の業務継続計画に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねについては、企業等が事業継続計画(以下「BCP」という。)を策定することを促進するため、内閣府、経済産業省等において必要な取組を進めているところであるが、同府においては、平成十七年にBCPの策定方法等をまとめた「事業継続ガイドライン」を策定し、周知を進めているところであり、同省においては、中小企業に対し、中小企業BCP策定運用指針の策定及び周知、中小企業等経営強化法(平成十一年法律第十八号)第五十六条第一項に規定する事業継続力強化計画(以下「事業継続力強化計画」という。)の認定及び同法第五十八条第一項に規定する連携事業継続力強化計画(以下「連携事業継続力強化計画」という。)の認定等のBCP策定に係る支援を行っているところである。今後とも、企業等におけるBCPの策定の促進や実効性の向上に向けた更なる施策を検討してまいりたい。

二について

 株式会社日本政策金融公庫の社会環境対応施設整備資金のお尋ねの「利用状況」については、例えば、令和二年度において三百三十四件、令和三年度において二百七十件、令和四年度において三百九十三件である。お尋ねの「国から企業へのBCPのサポート体制として、どのような取組を行っているか」については、例えば、独立行政法人中小企業基盤整備機構(以下「中小機構」という。)において、専門家の派遣によるBCPの策定に係る支援を行い、また、中小企業庁において、事業継続力強化計画又は連携事業継続力強化計画の認定を受けた中小企業に対し、金融支援、税制措置、ロゴマークの提供等の取組を行っているところである。

 これらの取組については、同庁が作成したパンフレット、各経済産業局や中小機構が主催するセミナー等を通じて周知を行っているところであり、引き続き、周知の在り方を含めて必要な見直しを行いながら進めてまいりたい。

三について

 御指摘の「災害拠点病院以外のBCP作成」については、災害拠点精神科病院に関しては、「災害拠点精神科病院の整備について」(令和元年六月二十日付け医政発〇六二〇第八号・障発〇六二〇第一号厚生労働省医政局長及び社会・援護局障害保健福祉部長連名通知)の別紙「災害拠点精神科病院指定要件」において、「被災後に早期に診療機能を回復できるよう、業務継続計画が整備されていること」、「整備された業務継続計画に基づき、被災した状況を想定した研修及び訓練を実施すること」等を要件としているところである。また、災害時に拠点となる病院以外の病院に関しても、「疾病・事業及び在宅医療に係る医療体制について」(令和五年三月三十一日付け医政地発〇三三一第十四号厚生労働省医政局地域医療計画課長通知)の別紙「疾病・事業及び在宅医療に係る医療体制構築に係る指針」中の「災害時における医療体制の構築に係る指針」において、「被災後、早急に診療機能を回復できるよう、業務継続計画(BCP)の整備を行うよう努めること」、「整備された業務継続計画(BCP)に基づき、被災した状況を想定した研修・訓練を実施すること」等を求めているところである。

 その上で、お尋ねについては、厚生労働省において、これまで、全ての医療機関を対象とした「業務継続計画(BCP)策定研修事業」を行うとともに、同研修の資料を同省のウェブサイトに掲載して周知を図ってきており、また、令和五年度には、令和三年度及び令和四年度の厚生労働科学研究費補助金による「浸水被害も含めた、新たな医療機関の事業継続計画(BCP)策定に資する研究」等を踏まえ、風水害を含めた災害等を想定した業務継続計画の策定方法等を含めて同研修の内容を充実させたところである。引き続き、こうした取組を通じて、医療機関における業務継続計画の策定に係る支援を行ってまいりたい。