質問主意書

第212回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二一二第一二一号
  令和五年十二月二十六日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員川田龍平君提出商品先物業者ないし金融商品取引業者を所管する監督官庁の役割に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員川田龍平君提出商品先物業者ないし金融商品取引業者を所管する監督官庁の役割に関する質問に対する答弁書

一の1について

 御指摘のとおりである。

一の2について

 お尋ねの「金融庁については、異なるか」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、金融庁設置法(平成十年法律第百三十号)第三条により、金融庁の任務は、我が国の金融の機能の安定を確保し、預金者、保険契約者、有価証券の投資者その他これらに準ずる者の保護を図るとともに、金融の円滑を図ることとされているところ、金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)の下で、資本市場の機能の十全な発揮による金融商品等の公正な価格形成等を図り、もって国民経済の健全な発展及び投資者の保護に資するよう取り組むことは、同庁の任務であると承知している。

二について

 お尋ねの「たとえ外国資本から指示を受けたとしても、日本法に従った顧客保護の使命を果たすべき」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、商品先物取引法(昭和二十五年法律第二百三十九号。以下「法」という。)第二条第二十三項に規定する商品先物取引業者(以下「商品先物取引業者」という。)においては、御指摘のように「外国資本の百%子会社である日本法人」であるか否かにかかわらず、法に従うべきものであると承知している。

三について

 御指摘の「店頭デリバティブ取引により、買いポジションの決済取引が成立して金銭債務権の履行が残ることになった後」及び「その決済取引を拒否して金銭債務権を支払われなかった」の具体的に意味するところが明らかではないため、お尋ねにお答えすることは困難である。

四の1について

 前段のお尋ねについては、御指摘の「顧客と商品先物取引業者の合意が約款で行われている場合」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、商品先物取引法施行規則(平成十七年農林水産省・経済産業省令第三号。以下「規則」という。)第百四条第一項第五号の商品取引契約については、法第二条第二十四項の規定により、商品先物取引業者が顧客を相手方とし、又は顧客のために同条第二十二項各号に掲げる行為を行うことを内容とする契約であるとされているところ、その内容は、約款に限られないものであると承知している。

 後段のお尋ねについては、その趣旨が必ずしも明らかではないが、法において、当該商品取引契約よりも法第二百十七条第一項に規定する書面を重視することとされているものではないと考えている。

四の2及び3について

 御指摘の「買いポジションの決済取引成立後、その取引を否定することができることを前提とする」及び「決済取引成立後、その決済取引を否定して当初の買いポジションとは別の内容の買いポジションを商品先物業者が建てること」の具体的に意味するところが明らかではないため、お尋ねにお答えすることは困難である。

四の4について

 御指摘の「商品先物契約(約款)」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、法第百九十二条第二項の規定に基づき添付を求める主務省令で定める書類には、法第百九十条第一項の許可を受けようとする者が法第二条第二十二項第五号に掲げる行為を業として行う場合における規則第八十条第一項第十八号ホに掲げる当該業務に関し顧客と取引を行う際に使用する契約書が含まれている。

五について

 御指摘の「前記の決済取引成立後の金銭債務の不履行」、「新たなポジション建」、「これらが」及び「これらの行為を外資の親会社の指示で行った」の具体的に意味するところが明らかではないため、お尋ねにお答えすることは困難である。

六について

 御指摘の金融庁が「ADRを紹介している例」及び「具体的解決に機能しているかどうかについて」の「調査」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねについては、同庁において、指定紛争解決機関(金融庁設置法第四条第一項第三号コに規定する指定紛争解決機関をいう。以下同じ。)における紛争解決等業務の公正かつ適確な遂行を確保するため、金融商品取引法第百五十六条の五十七第一項等に基づき指定紛争解決機関から提出される業務に関する報告書等の確認などを行っている。

七について

 御指摘の「A証券」及び「受取手数料とグループ会社に対する支払い手数料と相殺」の具体的に意味するところ並びに「A証券が海外からリベートの配分に基づいて会計報告」及び「会計監査法人による適正であるとの報告書が作成提出されているとしても、国税庁はそのまま受け入れることは問題がある」の具体的に意味するところ及び具体的な状況が明らかではないため、お尋ねにお答えすることは困難である。