質問主意書

第212回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二一二第九一号
  令和五年十二月二十二日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員田島麻衣子君提出インターネット上のアウティング及び包括的差別禁止法の必要性に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員田島麻衣子君提出インターネット上のアウティング及び包括的差別禁止法の必要性に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねについては、私人間の個別具体的な事件における裁判所の判断を前提としたものであるため、政府としてお答えすることは差し控えたい。

二について

 御指摘の「違法性」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、法務省の人権擁護機関においては、特定の地域を同和地区であると指摘する情報をインターネット上に流通させる行為は、人権侵害のおそれが高いものであり、原則として当該情報は削除されるべきものと考えている。

三及び四について

 お尋ねの「特定の地区を被差別部落とネット上で示したサイトに対する削除要請の件数」については、お尋ねのような形での統計をとっておらず、また、お尋ねの「要請に応じて事業者がサイトを削除した件数」については、把握していないため、いずれもお答えすることは困難であるが、法務省の人権擁護機関が、特定の地域を同和地区であると指摘する情報をインターネット上に流通させる行為がその例として含まれる識別情報の摘示(「インターネット上の人権侵害情報による人権侵犯事件に関する処理要領」(平成十六年十月二十二日付け法務省権調第六百四号法務省人権擁護局調査救済課長通知別添(最終改正 平成二十八年十二月二十一日))に「識別情報の摘示」として記載されているものをいう。)について、令和二年一月から令和四年十二月までの間に行ったプロバイダ等(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(平成十三年法律第百三十七号)第二条第三号に規定する特定電気通信役務提供者をいう。)に対する削除の要請の件数は、四百五十八件である。

五について

 御指摘の「社会的少数者に対する差別は許されないという規範を確立する事を目的とし」の意味するところが明らかではなく、お尋ねにお答えすることは困難である。