質問主意書

第212回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二一二第三一号
  令和五年十一月十日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員神谷宗幣君提出公的機関の職員の国籍に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員神谷宗幣君提出公的機関の職員の国籍に関する質問に対する答弁書

一について

 国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下「産業技術総合研究所」という。)については、外国籍職員(令和五年四月一日時点で各独立行政法人に在籍する常勤職員であって、採用時に日本国籍を有していなかったものをいう。以下同じ。)は百四十六人であり、その国籍・地域別の内訳は、アメリカ合衆国が五人、インドが四人、インドネシア共和国が七人、ウクライナが二人、英国が三人、オーストラリア連邦が二人、オランダ王国が二人、ケニア共和国が一人、スロバキア共和国が二人、タイ王国が三人、大韓民国が二十七人、台湾が六人、中華人民共和国が四十一人、チュニジア共和国が一人、チリ共和国が一人、デンマーク王国が一人、ドイツ連邦共和国が三人、トルコ共和国が三人、ニュージーランドが一人、ネパールが二人、パキスタン・イスラム共和国が一人、バングラデシュ人民共和国が一人、フィリピン共和国が二人、フィンランド共和国が一人、ブラジル連邦共和国が二人、フランス共和国が九人、ベトナム社会主義共和国が三人、ベルギー王国が一人、ポーランド共和国が一人、マレーシアが一人、メキシコ合衆国が三人、ヨルダンが一人、ラトビア共和国が一人、ロシア連邦が二人であり、国立研究開発法人科学技術振興機構については、外国籍職員は十六人であり、その国籍別の内訳は、インドが一人、オランダ王国が一人、スウェーデン王国が一人、大韓民国が四人、中華人民共和国が七人、ブラジル連邦共和国が一人、マレーシアが一人であり、国立研究開発法人物質・材料研究機構については、外国籍職員は百七十九人であり、その国籍・地域別の内訳は、アメリカ合衆国が二人、イラン・イスラム共和国が一人、インドが三十八人、インドネシア共和国が五人、ウクライナが一人、英国が四人、エジプト・アラブ共和国が六人、オーストラリア連邦が一人、オーストリア共和国が一人、カナダが三人、コロンビア共和国が一人、スペイン王国が三人、スリランカ民主社会主義共和国が一人、タイ王国が六人、大韓民国が十二人、台湾が二人、チェコ共和国が一人、中華人民共和国が五十八人、ドイツ連邦共和国が一人、トルコ共和国が一人、ネパールが四人、パレスチナが一人、バングラデシュ人民共和国が二人、フィリピン共和国が一人、フランス共和国が三人、ベトナム社会主義共和国が七人、ベルギー王国が二人、マレーシアが三人、ルーマニアが一人、ロシア連邦が七人であり、国立研究開発法人理化学研究所については、外国籍職員は四百八十一人であり、その国籍・地域別の内訳は、アイルランドが一人、アメリカ合衆国が二十九人、アルゼンチン共和国が二人、アルバニア共和国が一人、イタリア共和国が九人、イラン・イスラム共和国が八人、インドが三十七人、インドネシア共和国が十二人、ウクライナが六人、英国が二十一人、エクアドル共和国が一人、エジプト・アラブ共和国が三人、オーストラリア連邦が十二人、オーストリア共和国が一人、オランダ王国が一人、ガーナ共和国が一人、カザフスタン共和国が一人、カナダが十一人、クロアチア共和国が二人、コスタリカ共和国が一人、コロンビア共和国が二人、シンガポール共和国が二人、スウェーデン王国が二人、スペイン王国が五人、スリランカ民主社会主義共和国が二人、スロバキア共和国が二人、タイ王国が五人、大韓民国が二十四人、台湾が十六人、中華人民共和国が百三十八人、ドイツ連邦共和国が二十二人、トルコ共和国が四人、ニュージーランドが三人、ネパールが一人、パラグアイ共和国が一人、パレスチナが一人、ハンガリーが二人、バングラデシュ人民共和国が二人、フィジー共和国が一人、フィリピン共和国が八人、フィンランド共和国が二人、ブラジル連邦共和国が四人、フランス共和国が十八人、ベトナム社会主義共和国が十三人、ペルー共和国が一人、ベルギー王国が二人、ポーランド共和国が五人、ポルトガル共和国が一人、香港が六人、マレーシアが七人、南アフリカ共和国が一人、メキシコ合衆国が七人、ヨルダンが一人、リトアニア共和国が一人、ルーマニアが二人、ルワンダ共和国が一人、ロシア連邦が六人である。

二について

 お尋ねについては、いずれの独立行政法人においても公募による採用を原則としていると承知している。

三について

 お尋ねについては、従業員の採用時に国籍を確認しないことが通例である地域においては、独立行政法人が現地で採用する職員について国籍を確認することによって、応募が行われなくなったり、独立行政法人の事業活動に対する信頼が損なわれたりする可能性があることである。

四について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、独立行政法人の職員の服務規律に違反する行為への対応については、各独立行政法人において、職員の服務及び懲戒について定める就業規則等に基づき適切に対応することとなる。なお、各独立行政法人の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定める法律においては、職員の秘密保持義務及び当該義務違反に対する罰則や、独立行政法人の職員への刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については法令により公務に従事する職員とみなすことが規定されている場合がある。

五について

 御指摘の「本件事件のような、外国籍職員を採用した国の機関からの技術・情報の海外流出」の具体的に意味する範囲が必ずしも明らかではないが、令和五年六月に産業技術総合研究所の職員が不正競争防止法(平成五年法律第四十七号)違反の容疑で逮捕されたことを踏まえ、「研究活動の国際化、オープン化に伴う新たなリスクに対する研究インテグリティの確保に係る対応方針について」(令和三年四月二十七日統合イノベーション戦略推進会議決定。以下「対応方針」という。)に示す研究の健全性及び公正性の確保のための取組を進めるよう改めて周知を行っており、加えて、対応方針の取組状況についてフォローアップを行うこととしているほか、産業技術総合研究所における再発防止策等に関して、その他の国立研究開発法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第三項に規定する国立研究開発法人をいう。以下同じ。)への情報共有を図っている。

 なお、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律(平成二十年法律第六十三号)第四十一条第二項において、研究開発法人(同法第二条第九項に規定する研究開発法人をいう。)は、その研究開発の成果について、我が国の国際競争力の維持に支障を及ぼすこととなる国外流出の防止に努めるものとされているほか、各国立研究開発法人の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定める法律において、職員の秘密保持義務及び当該義務違反に対する罰則が規定されているなど、技術の厳格な管理が求められている。