質問主意書

第212回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二一二第八号
  令和五年十月三十一日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員森屋隆君提出ライドシェアが地域公共交通等にもたらす影響に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員森屋隆君提出ライドシェアが地域公共交通等にもたらす影響に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねについては、令和五年四月二十日の参議院国土交通委員会において、斉藤国土交通大臣が「いわゆるライドシェアは、運行管理や車両整備等について責任を負う主体を置かないままに自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態を前提としており、安全の確保、利用者の保護等の観点から問題があると考えており、この考えは従来から変わっておりません」と答弁したとおりである。

二について

 前段のお尋ねについては、タクシー業務適正化特別措置法(昭和四十五年法律第七十五号)第十四条の規定により国土交通大臣が運転者証(同法第十三条に規定する運転者証をいう。以下同じ。)を交付した件数は、御指摘の「東京特別区・武三地区」においては令和四年十月三十一日から令和五年九月三十日までの間で七百五十九件増加しており、御指摘の「名古屋地区」においては令和四年十一月三十日から令和五年九月三十日までの間で六百七十九件増加している。また、「ハイヤー」の「運転者の増減状況」については、把握していない。後段のお尋ねについては、全国において同法第十四条の規定により同大臣が運転者証を交付した件数は、同年三月三十一日から同年九月三十日までの間で千百八十五件増加している。

三について

 前段のお尋ねについては、御指摘の「これらの配車を行う事業者」の意味するところが必ずしも明らかではないが、旅行業法(昭和二十七年法律第二百三十九号)第二条第一項に規定する旅行業を営もうとする者は、同法第三条の登録を受けなければならないこととされており、同法第十八条の三第一項の規定に基づき、観光庁長官は、旅行業の登録を受けた者(以下「旅行業者」という。)の業務の運営に関し、取引の公正、旅行の安全又は旅行者の利便を害する事実があると認めるときは、当該旅行業者に対し、業務の運営の改善に必要な措置をとること等を命ずることができることとされている。後段のお尋ねについては、お尋ねの「管理」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「乗務記録等のデータ」を政府が収集等することについては検討していない。

四について

 お尋ねについては、政府としては、御指摘の「同改正法に明記された取り組みを前進させる」ことが重要と考えており、令和五年四月二十日の参議院国土交通委員会において、斉藤国土交通大臣が「今般の改正法案と予算において、国の関与を強化しつつ、地域の関係者間の連携と協働を促進するための枠組みを大幅に拡充しております。特に予算面では、自治体が地域公共交通を地域のインフラとして位置付けてまちづくり、地域づくりに取り組む場合の支援を強化するため、公共事業関係予算である社会資本整備総合交付金を地域公共交通のリデザインのために活用することを可能としました。国土交通省としては、こうした予算を含め、あらゆる政策ツールを活用して地域の取組をしっかりと支えてまいりたい」と答弁したとおりである。