質問主意書

第212回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二一二第三号
  令和五年十月三十一日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員神谷宗幣君提出外国人留学生の増加に対応する日本語教育の体制整備に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員神谷宗幣君提出外国人留学生の増加に対応する日本語教育の体制整備に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の「質の高い日本語教師の確保とは逆行する状況」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、一定以上の能力を有する日本語教育に従事する者の数を十分に確保できていない理由については、令和五年一月二十五日に日本語教育の質の維持向上の仕組みに関する有識者会議が取りまとめた「日本語教育の質の維持向上の仕組みについて(報告)」(以下「有識者会議報告」という。)において、「専門性を有する日本語教師の質を担保する仕組みがなく、全国的に一定の質を確保することが難しい状況」であることや、「大学学部(通学制)においては、養成課程を経て実際に教師になる者は一割以下となっており、専門性を有する教師が不足する中で、職業としての社会的な認知が低く、日本語教師を目指す者が日本語教育機関等で活躍する状況に結びついていない現状がある」などと指摘されているものと承知している。

二について

 前段のお尋ねについては、有識者会議報告において指摘されているとおり、外国人が「我が国において生活するために必要な日本語能力を身に付けられる環境の整備が必要」であり、そのためには、日本語教育に従事する者の数だけでなく、その質も充実させることが重要であることから、今後必要となる日本語教育に従事する者の数について一概にお答えすることは困難である。

 また、後段のお尋ねについては、「大学教育における日本語教師養成課程修了者の有用化」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、日本語教育に従事する者の社会的認知度の向上等のための施策として、日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律(令和五年法律第四十一号)により、新たな国家資格として登録日本語教員制度を創設したところである。

三について

 お尋ねの「性急な外国人受入れ」及び「受入れ体制の実態に見合った形」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。