質問主意書

第212回国会(臨時会)

質問主意書

質問第一四一号

財政健全化目標に向けた取組の必要性に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和五年十二月十三日

牧山 ひろえ


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   財政健全化目標に向けた取組の必要性に関する質問主意書

 政府は本年六月の「骨太の方針」において、財政運営について「歳出構造を平時に戻していく」との考えを示した。ところが、令和五年度補正予算の歳出追加額は依然として十六兆七千九十億円にも上っている。

 政府は、二十九・一兆円に達した令和四年度第二次補正予算よりは規模を抑えたと強弁するのかもしれないが、コロナ禍前の平成二十六年度から令和元年度までの補正予算の歳出追加額は、平均で四・八兆円であり、全く平時に戻ったとは言えない状況である。さらに、令和五年度補正予算の財源について、六兆三千六百五十億円は赤字国債等で賄うことしており、財政赤字の削減に向けた努力は見られない。

 今後防衛増税や異次元の少子化対策実施に向けた負担増が控えていることや、当初予算の歳入の約三割を赤字国債に依存していることを踏まえれば、安易に補正予算の財源として赤字国債に頼るべきではないことは明らかである。以下質問する。

一 補正予算を始めとする近時の歳出の動向について、「歳出構造が平時に戻」せていると政府は判断しているのか。

二 政府は二〇二五年度の基礎的財政収支の黒字化など財政健全化目標を引き続き掲げている。しかし、本気でこの目標を実現するためには、まずは赤字国債頼みの補正予算編成を改めるべきと考えるが、政府の見解を伺う。

三 また、二〇二五年の基礎的財政収支の黒字化が出来る見通しが現状でもあると判断しているのならば、その根拠を示されたい。

四 二〇二五年の基礎的財政収支の黒字化が困難と政府が判断した場合、すぐにそれを国民に対して公にするのか。

  右質問する。