質問主意書

第212回国会(臨時会)

質問主意書

質問第七五号

指定薬物の包括指定に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和五年十一月三十日

石垣 のりこ


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   指定薬物の包括指定に関する質問主意書

 大麻草から抽出されるテトラヒドロカンナビノール(以下「THC」という。)という指定薬物と化学構造が近いものの、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律における指定薬物ではないヘキサヒドロカンナビヘキソール(以下「HHCH」という。)を含むグミを食べた者が体調不良を訴える事例が発生している。

 厚生労働省は令和五年十一月二十二日、グミから検出された物質HHCHを指定薬物に追加し、十日後の十二月二日から医療等の用途以外の目的での製造、輸入、販売、所持、使用等が禁止されることになった。

 HHCHが指定薬物に指定されたことを受けて、厚生労働省麻薬取締部が立ち入り検査に入った店のオーナーは「今後、HHCHが規制された後は、ヘキサヒドロカンナビフォロール(以下「HHCP」という。)の商品を出していきたい」と語ったと報じられている。

 このように指定薬物の指定については以前より、規制対象でなかった物質が新たに指定されると規制を逃れるために化学構造の一部を改変した未規制物質が出回るという、取り締まる側と製造・販売する側で「いたちごっこ」の状況となっている。

 なお、THCやHHCHと化学構造が近い物質のヘキサヒドロカンナビノール(以下「HHC」という。)が令和四年三月に、テトラヒドロカンナビヘキソール(THCH)が令和五年七月に指定薬物に追加されている。

 以上を踏まえて、以下質問する。

一 HHCについては、令和四年三月四日の薬事・食品衛生審議会指定薬物部会において指定薬物とすることが適当とされている。現在公開されている令和四年三月四日の同部会に係る議事録においては、HHCに化学構造が類似しているHHCH、HHCPなどを含めて包括指定の対象とすることは検討されていないように見受けられるが、その理由を明らかにされたい。

二 HHCPのようにTHCと化学構造が近いとされる物質については、基本骨格が同じ物質を一括して指定する「包括指定」を活用し、早急に未規制物質を幅広く規制すべきだと考えるが、政府の見解を伺う。

三 指定薬物の化学構造の一部を改変した未規制物質を迅速に指定薬物に指定出来るよう、医療機関等から未規制物質等による健康被害の情報を収集する仕組みを作る必要があると考えるが、政府の見解を伺う。

  右質問する。