質問主意書

第212回国会(臨時会)

質問主意書

質問第五九号

在留期間更新の遅延等により住民票が消除されることに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和五年十一月二十日

石垣 のりこ


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   在留期間更新の遅延等により住民票が消除されることに関する質問主意書

 外国人住民は入管法上の適法在留要件と住所を有するという二つの要件を充たす必要がある。そのため、在留期間満了の日等が経過した場合は、住民基本台帳法第三十条の五十の規定に基づき、出入国在留管理庁長官から当該市町村長に通知があり、市町村長の職権により住民票が修正又は消除される。在留期間更新手続の遅延には、出張、一時帰国、施設入所、失念など様々な事情があり、一律に消除されると、行政サービスの継続性が失われることで当該在留外国人当事者(以下「当該者」という。)が不利益を被ることに加えて、地方自治体にとっても在留期間更新申請後の住民登録の回復による行政サービス受給資格の得喪など事務の煩雑を招き、消除されていることを認識していない当該者が市町村の窓口に訪れた際に、対応する職員との間でトラブルになるなど職員に過度な負担を強いることにもなりかねない。

 在留期間更新の申請は期限内に行うべきものであり、在留期間満了後は居住実態があったとしても住民基本台帳上の住民には当たらなくなるので、住民票を消除することは理解しつつも、窓口業務の円滑化を図る上でも住民票が消除された事実は当該者に通知するなどして当該者が把握できるようにする必要があると考える。

 なお、消除された者が世帯主で、配偶者や子どもが同一世帯にいる場合は、世帯主変更届の必要が生じ、届出がない場合は職権で変更し(住民基本台帳法施行令第十二条第一項)、当該者に通知することになっている(同施行令第十二条第四項)ことも参考にすべきである。

 上記を踏まえて、以下質問する。

一 現行制度上、住民票が消除された事実を当事者に通知する必要はないが、行政サービスの一環として住民票消除の通知を当事者に出すよう市町村に推奨すべきと考えるが政府の見解を伺う。

二 住民票消除の通知を発出することができないというのであれば、せめて、外国人が転入届を提出した際に、在留期間更新が遅延することがあると住民票が消除されることを口頭で説明するとともに、その旨を記載したパンフレット等を作成し、その配付を行うべきと考えるが政府の見解を伺う。

三 転入届提出時の説明や、パンフレットの配付ができないというのであれば、その理由を明らかにされたい。

  右質問する。