質問主意書

第212回国会(臨時会)

質問主意書

質問第五七号

身体障害者福祉法第十五条に定める指定医師に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和五年十一月二十日

塩村 あやか


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   身体障害者福祉法第十五条に定める指定医師に関する質問主意書

 身体障害者福祉法第十五条では、身体に障害のある者は、都道府県知事の定める医師(以下「指定医師」という。)の診断書等を添えて都道府県知事に身体障害者手帳の交付を申請することができることとされている。当該医師の指定については、都道府県知事は、厚生労働大臣の定めるところに従い、かつ、地方社会福祉審議会の意見を聴いた上で行うこととなっている。

 「身体障害者手帳に係る交付手続き及び医師の指定に関する取扱いについて」(平成二十一年十二月二十四日付け障発一二二四第三号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知)によれば、指定医師について、各障害の医療に関係のある診療科名を標榜している病院又は診療所において診療に従事し、かつ、その診断に関する相当の学識経験を有する医師を指定するものとされている。また、地方社会福祉審議会の意見を聴く際には、医籍登録日、担当しようとする障害分野、当該医師の職歴、当該医師の主たる研究歴と業績等について十分に審査を行い、指定医師の専門性の確保に努めるものとされている。

 一方で、指定医師について指定期間は設けられておらず、また、指定内容の変更や指定医師を辞退する場合には、指定医師本人等からの届出によって行われている。

 以上を踏まえ、以下質問する。

一 指定医師の死亡後も都道府県知事に届出がなく、都道府県において指定医師として指定され続けている事例があると聞くが、政府はそのような事例が生じている実態を把握しているか。また、そのような事例が生じている実態の是正又は防止に向けて、どのような取組を行っているのか示されたい。

二 指定医師には指定期間が設けられていないため、長期間指定を受けている指定医師の中には障害に対する理解や知識が更新されていない者がいるおそれがあるが、そうした指定医師の専門性をどのように担保しているのか示されたい。

三 例えば精神保健及び精神障害者福祉に関する法律では、精神保健指定医に対して、指定後に五年度ごとの研修の受講を義務付けている。そのような例を参考に、身体障害者福祉法においても、指定医師の専門性を担保するため、指定医師に対して定期的に研修の受講を義務付けること等を検討する必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。