質問主意書

第212回国会(臨時会)

質問主意書

質問第三〇号

大阪IR整備計画におけるカジノの電子ゲーム機に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和五年十月三十日

石垣 のりこ


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   大阪IR整備計画におけるカジノの電子ゲーム機に関する質問主意書

 令和五年四月十四日に大阪府と大阪市のカジノを含むIR整備計画が認定された。

 この計画によるとカジノ行為に使用するゲーミング区域には電子ゲーム機、約六千四百台を設置する予定となっているが、海外の大型カジノの倍以上の数になっており(シンガポールのマリーナベイサンズで二千三百台、リゾートワールドセントーサで二千四百台)、審査をした審議会の委員から「ギャンブルの中で電子ゲーム機が最も依存性が高い」「強度の依存性を作る電子ゲーム機の台数が多いことに対する特別な対策を考えているのか」と、電子ゲーム機の危険性をあげて、対策があるのかをただす意見が何度も出された。

 また、民間支援団体「ギャンブル依存症問題を考える会」の田中紀子代表は「カードゲームはルールが分からないと参加できない一方、スロットマシンなど電子ゲーム機は簡単な分、依存症になりやすい」と危険性を指摘している。

 カジノに設置される電子ゲーム機とほぼ似たような構造のパチスロについては「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則」によって出玉等の数の上限が決められているなど射幸心を抑える措置が取られているが、カジノの電子ゲーム機については「カジノ管理委員会関係特定複合観光施設区域整備法施行規則」において、理論上の払戻率を百分の九十以上一未満とするとしか規定されていない。

 以上踏まえて以下質問する。

一 カジノに設置される電子ゲーム機のうち、風営法の遊技におけるパチスロと同等の電子ゲーム機については、風営法と同様に出玉等の数の上限を決めるなど射幸心を抑えるようにすべきだと考えるが政府の所見を伺う。

二 風営法の遊技業においてはゲーム機の入れ替えの際、ゲーム機一台一台が基準に適合しているか検査し、認定している。カジノに設置される電子ゲーム機についても一台一台適合審査をすべきだと考えるが所見を伺う。

三 電子ゲーム機は遊技業のパチスロとほとんど同じであるため、テーブルゲームと比較して、カジノ初心者でも扱いやすく、入りやすいと考えられる。また、依存性が高いとの指摘が多い上に、海外の大型カジノと比較しても台数が多過ぎることを考えると、大阪府、大阪市のIR整備計画の認定を撤回し、改めて、電子ゲーム機の台数の再考を促す必要があると考えるが政府の所見を伺う。

  右質問する。