質問主意書

第212回国会(臨時会)

質問主意書

質問第一〇号

世界保健機関(WHO)西太平洋地域委員会への台湾の参加に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和五年十月二十日

浜田 聡


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   世界保健機関(WHO)西太平洋地域委員会への台湾の参加に関する質問主意書

 第七十二回WHO西太平洋地域委員会が、日本がホスト国となり、令和三年十月二十五日から二十九日までの日程で兵庫県姫路市において開催された。

 世界保健機関西太平洋地域委員会は、日本を含む西太平洋地域に所属するWHO加盟国(三十七の国と地域)の年次総会であり、域内加盟国及び地域の代表者により構成され、域内の保健水準の向上のための対策などについて議論される。加盟する三十七の国と地域には、香港やマカオ、グアムや北マリアナ諸島などが参加するが、同じく西太平洋地域に属する約二千三百六十万人の人口を有する台湾については、参加が実現していない。台湾には日本人二万四千二百八十人(平成三十年外務省発表)が滞在し、コロナ禍前ではあるが、日本と台湾の間を往来する旅客は延べ七百十万人を超えている。日本は台湾とは国交は有していないが、台湾は国民、領土、主権の国家三要件を満たしており、何より邦人が多数滞在していることから、世界保健機関西太平洋地域委員会への台湾の参加は我が国の国益にも資するものである。

 兵庫県内での開催を受けて、兵庫県下である神戸市会では、自民党に所属する神戸市会議員をはじめ全神戸市会議員の提案によって、令和三年十月七日に「世界保健機関(WHO)西太平洋地域委員会への台湾のオブザーバー参加を実現するため、必要な措置を求める意見書」(以下「意見書」という。)が可決され、地方自治法第九十九条に規定に拠って内閣総理大臣、外務大臣、厚生労働大臣、内閣官房長官宛に提出している。

 しかしながら、第七十二回WHO西太平洋地域委員会には日本がホスト国でありながら、台湾の参加はオブザーバー参加さえも実現しなかった。

 右を踏まえて、以下質問する。

一 政府は第七十二回WHO西太平洋地域委員会に台湾を招待しなかったのか。招待をしなかった場合、その理由を示されたい。

二 政府は世界保健機関(WHO)西太平洋地域委員会への台湾の参加について西太平洋地域内の保健水準の向上に資すると考えるか。見解如何。

三 政府は今後、台湾の世界保健機関への参加実現の為にどのような具体的行動を行うのか。

四 政府は前記の意見書をどのように受け止め、今後対応するのか示されたい。政府の見解如何。

 なお、本質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、転送から七日以内での答弁は求めない。国会第七十五条第二項の規定に従い、答弁を延期した上で、転送から二十一日以内には答弁されたい。

  右質問する。