質問主意書

第211回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一一第一九号
  令和五年二月二十四日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員神谷宗幣君提出我が国における潜在的な食料供給力と国内で完結できる食料供給体制の整備に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員神谷宗幣君提出我が国における潜在的な食料供給力と国内で完結できる食料供給体制の整備に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の「台湾有事」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、御指摘の「外国からの輸入品が一切入らなくなった事態」が生じる前の段階から適切な対策を講ずることとしているため、先の答弁書(令和四年十二月十六日内閣参質二一〇第六〇号)でお答えしたとおり、農林水産省において、「不測の事態が生じた場合に食料の供給の確保が図られるよう、穀物や大豆の輸入量の大幅な減少等、様々な事態を想定したシミュレーション」を行っているところであり、引き続き、このような考え方に基づき、必要な取組を進めていく考えである。

二について

 お尋ねについては、農林水産省のホームページにおいて「令和四年度「緊急事態食料安全保障指針」に関するシミュレーション演習の実施結果について」等として公表されているとおりである。

三について

 米穀及び小麦それぞれの備蓄量である百万トン程度及び八十八万トン程度を供給熱量に換算した場合、それぞれ約三兆キロカロリー及び約二兆三千億キロカロリーに相当するところであるが、御指摘の「必要なカロリー」の意味するところが明らかではないため、お尋ねの「同備蓄により、何人がどのくらいの日数、必要なカロリーを摂取できるのか」についてお答えすることは困難である。

四について

 お尋ねの「「国内の緊急的な増産」に関する具体的方法」については、例えば、裏作の作付拡大、非食用の作物等の作付けを減少させることによる食用の作物の生産への切替え等により増産を行うこととしている。また、お尋ねの「緊急的増産によってカロリーベースで何人分の食料を何日間分確保できるのか」については、増産する作物の種類やその必要量は、生じた不測の事態における個別具体的な状況により異なることから、一概にお答えすることは困難である。