質問主意書

第210回国会(臨時会)

質問主意書

質問第三七号

「在外ネット投票でしか投票できない有権者」の存在に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和四年十一月十日

牧山 ひろえ


       参議院議長 尾辻 秀久 殿



   「在外ネット投票でしか投票できない有権者」の存在に関する質問主意書

 現在、世界には日本政府が在外公館を設置してない国が二〇二二年一月時点で四十二か国ある(外務省の発表情報)。当然これらの国では在外公館投票は不可能であり、わざわざ他国の在外公館に行くか、郵便投票しか選択肢がない。

 さらに、日本郵便のウェブサイトによると、世界二百四十か国中八十四か国が十一月二日現在、日本からの発送に関して航空便及びEMSが不可となっている。これらの国においては当然郵便投票もできない。この両方に該当する、すなわち滞在国での在外公館投票も郵便投票も不可能な国が二十三か国ある。

一 これら二十三か国に住む有権者には、理論上滞在国において在外投票をする方法が存在しない。この事実を政府は認識しているか。

二 在外公館未設置国並びに航空便及びEMSの発送が不可となっている国における在外投票について、政府は投票の実情をどの程度把握しているか。把握している情報を説明されたい。

  また、実情を把握していない場合には把握の努力を行うべきではないか。政府の見解を伺う。

三 これらの在外投票する方法が存在しない、または在外投票をすることが事実上困難なケースが存在する問題について、政府はどのように解決するつもりなのか。

四 このようなケースについて、在外ネット投票を導入すれば、根本的な解決策となり得ると考えるが、政府の認識を伺う。

五 第二百十回国会において審議されている在外国民審査の違憲状態を解消する法改正案(最高裁判所裁判官国民審査法の一部を改正する法律案)を政府内で検討する過程で、ネット投票の導入が国民審査における違憲状態の解消につながるだけではなく、このような投票困難事例への救済策となり得るという視点での検討、すなわち違憲状態解消の「選択肢としてのネット投票導入」の検討はなされたのか。されたのならばその内容を、されなかったのならばその理由を具体的に説明されたい。

  右質問する。