質問主意書

第209回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二〇九第六号
  令和四年八月十五日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員田島麻衣子君提出障害福祉サービス等報酬と経営概況調査に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員田島麻衣子君提出障害福祉サービス等報酬と経営概況調査に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の放課後等デイサービスにおける「有資格者の配置加算」については、良質な人材の確保と事業所全体におけるサービスの質の向上を図る観点から、事業所内の有資格者の割合に応じて設定しているものだけでなく、重症心身障害児等の利用者の特性に配慮した専門的なサービスの提供を評価するものがある。

二について

 御指摘の「実務経験を伴う資格取得要件が改正とともに厳しくなったこと」の意味するところが必ずしも明らかではないが、仮に障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令(令和三年厚生労働省令第十号)において、放課後等デイサービスを行う事業所に置くべき従業者について児童指導員又は保育士に限ることとしたことを指すのであれば、この改正については、放課後等デイサービスの専門性及び質の向上を目的として行ったものであり、また、令和五年三月三十一日までの間は従前の基準による人員の配置を認める経過措置を設けることで、この改正により影響を受ける事業者に対する配慮をしているところである。

三について

 お尋ねの「利用希望が集中する事業所の定員の増加対策」については検討していないが、個々の障害福祉サービス事業者の利用定員の変更については、事業者からの障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号)第三十七条第一項の規定に基づく申請を踏まえ、同法第四十三条第一項及び第二項の都道府県の条例で定める基準等に則して都道府県知事が当該変更の可否を判断することとされている。

四から六までについて

 お尋ねの「自治体が独自に行う加算や補助金」の具体的に指し示す範囲が明らかではないため、その「全容」についてお答えすることは困難であるが、障害福祉サービス等経営概況調査においては、地方公共団体等からの補助金事業を実施している場合の補助金事業収益については、障害福祉サービス等における収支差率を算定する際の収益額には含まないこととしているところであり、引き続き、障害福祉サービス等の経営状況等について適切に調査を実施してまいりたい。

七について

 御指摘の「良質なサービスの内容を明らかにすること」に関しては、令和四年六月十三日に取りまとめられた社会保障審議会障害者部会の報告書において、障害福祉サービス等の質の評価について更なる検討を進める上で、「利用者本人の希望やニーズに十分対応したサービスが提供されているか」、「閉鎖的にならず、外部に開かれた透明性の高い事業運営が行われているか」及び「専門的な知見も踏まえたより質の高い支援や、地域ニーズを踏まえた支援・取組が行われているか」という視点が重要とされていること、サービスの質の評価に関する仕組みを導入するに当たり、サービスごとの特性を踏まえること等が指摘されていること等を踏まえ、現在、御指摘の放課後等デイサービスを含め、障害福祉サービス等の質の評価に関する調査研究を実施しているところである。

八について

 お尋ねについては、地方公共団体において、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化及びコロナ禍における物価高騰の影響を受けている事業所等に対し、地域の実情に応じて行う「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」を活用した事業者等の負担の軽減等の支援が可能である。厚生労働省においては、同交付金を積極的に活用し、事業者等の負担の軽減に向けた取組を進めていただくよう、都道府県及び市区町村に対し、繰り返し要請しているところである。