質問主意書

第208回国会(常会)

答弁書

内閣参質二〇八第三二号
  令和四年四月五日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出国際協力銀行によるロシア向け投融資についての今後の対応に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出国際協力銀行によるロシア向け投融資についての今後の対応に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「ウクライナ情勢を踏まえて講じているJBICの対応や今後の方針に関する政府の認識」については、令和四年三月八日の衆議院財務金融委員会において、鈴木財務大臣が「現在のウクライナやロシアの制裁をめぐる動きは極めて流動的でございます。JBICによるロシア関係業務に関する対応についても、その状況を注視していく必要がある、そのように考えてございます。・・・JBICにおきましても、ロシアをめぐる国際社会の動きやロシア国内の状況を踏まえつつ適切に対応されることを期待をしておりますし、いずれにせよ、ロシアをめぐる国際社会の動きやロシア国内の状況を踏まえつつ、G7を始めとする国際社会と連携をしながら、適切に対応してまいりたいと思っております。」と述べているところである。

二について

 御指摘の「武力紛争が融資先国で生じた場合に備えた損失最小化のための措置」の意味するところが必ずしも明らかではないが、株式会社国際協力銀行(以下「JBIC」という。)は、株式会社国際協力銀行法(平成二十三年法律第三十九号)第十三条第一項第一号の規定に基づき、貸付けに係る資金の償還が確実であると認められる場合に貸付けを実施することとなっている。その上で、融資取引先が欧米の制裁の対象となった場合に新規貸付けの停止や既貸付けの早期償還を可能とする契約条項(以下「制裁関連条項」という。)を設けるなど、案件の特性を踏まえた債権保全策を講じてきていると認識している。

三について

 御指摘の「JBICの対ロシア支援の方針」の意味するところが必ずしも明らかではないが、JBICは、平成二十六年のいわゆるクリミア「併合」後、ロシア連邦に関連する融資案件について、制裁関連条項を設けるなど、同案件の特性を踏まえた債権保全策を講じており、また、必要に応じて外国規制当局に対して制裁への抵触の有無を照会するなど、慎重に対応してきたと承知している。