質問主意書

第208回国会(常会)

質問主意書

質問第八三号

ESG投資・サステナブルファイナンスの対象の拡大に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和四年六月十五日

牧山 ひろえ


       参議院議長 山東 昭子 殿



   ESG投資・サステナブルファイナンスの対象の拡大に関する質問主意書

 ESG投資やサステナブルファイナンスの推進のためには、関与するプレイヤーを増加させ、かつESGやサステナブルファイナンスの対象を拡大させる取組が必要であると考える。

 以上を踏まえ、以下質問する。

一 これまでのESG金融については、ESG債・投資信託の取引やディスクロージャーなど、主として資本市場における機関投資家と投資先の上場企業等の関係に着目して議論されることが多かった。ただ、今後は株式上場等を行っていない中小企業においても、ESGの要素を考慮していくことが現在以上に求められるようになり、サステナブルファイナンスへの取組とは無関係ではない状況に進んでいくものと考えられる。

 地域の中小企業に対して資金供給にとどまらない経営支援を行っている地域金融機関には、ESG要素に配慮して事業性評価を行うなどの取組が一層求められるようになるほか、現に融資を行っている債権に対するリスク管理においても気候変動等の影響を考慮する必要が生じている。収益性等で厳しい環境が続く地域金融機関が、これらの役割を十分に発揮できるようにするために、政府としてどのような対応を行っていくのか、また地域金融機関の役割として特に期待することは何か、政府の認識を伺う。

二 サステナブルファイナンスについては、気候変動や脱炭素以外にも様々な社会課題の解決に活用していくことが期待されており、特に国連生物多様性条約第十五回締約国会議が開催される中で、生物多様性についても議論が進展していくのではないかと考えられる。

 その点、二〇一二年に閣議決定された生物多様性国家戦略では金融関係の言及が少なく、数値目標においても金融関係のものは含まれていない。政府は二〇二二年秋に次期生物多様性国家戦略の閣議決定を目指しており、その中には投融資額等の金融指標も盛り込む方針とも報じられているが、現段階での検討状況について伺う。

  右質問する。