質問主意書

第208回国会(常会)

質問主意書

質問第二七号

ウクライナ政府の呼びかけで義勇兵として参加を検討している日本人に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和四年三月十日

羽田 次郎


       参議院議長 山東 昭子 殿



   ウクライナ政府の呼びかけで義勇兵として参加を検討している日本人に関する質問主意書

 ロシア軍の侵略に抵抗するため、ウクライナ政府が外国人の「義勇兵」を募集しているが、コルスンスキー駐日ウクライナ大使によると、本年三月一日の時点では、およそ七十人の日本人が志願しているとしている。

 刑法第九十三条によると「外国に対して私的に戦闘行為をする目的で、その予備又は陰謀をした者は、三月以上五年以下の禁錮に処する。ただし、自首した者は、その刑を免除する」とされている。

 以上を踏まえて、以下質問する。

一 一般論として、外国の義勇兵の募集に日本人が応じた場合、刑法上の私戦予備・陰謀罪に問われるか。

二 二〇一四年に過激派組織「イスラム国」(IS)に参加するために海外渡航の準備をしたとして、男子学生ら五人が、私戦予備・陰謀の疑いで書類送検されたケースがあるが、外国政府の要請に応じて準備をした場合は私戦予備に該当するか。

三 ウクライナ正規軍に義勇兵として参加するため、第三国で戦闘に向けて準備をする場合は私戦予備に該当するか。

四 ウクライナ正規軍に義勇兵として参加して、ウクライナ国内で防衛に参加する場合はどのような罪に問われる可能性があり、戦闘行為でロシア軍兵士を殺害した場合はどのような罪に問われる可能性があるのか。また、攻撃を受けて自衛のために武器を使用し、ウクライナの民間人を誤って殺害した場合はどのような罪に問われる可能性があるのか。

五 ウクライナの非正規部隊の一員に義勇兵として参加して、ウクライナ国内で防衛に参加する場合はどのような罪に問われる可能性があり、戦闘行為でロシア軍兵士を殺害した場合はどのような罪に問われる可能性があるのか。また、攻撃を受けて自衛のために武器を使用し、ウクライナの民間人を誤って殺害した場合はどのような罪に問われる可能性があるのか。

六 ウクライナ正規軍に義勇兵として参加し、ロシア国内においてロシア軍兵士を攻撃する目的で戦闘に参加する場合は、どのような罪に問われる可能性があり、戦闘行為でロシア軍兵士を殺害した場合はどのような罪に問われる可能性があるのか。また、戦闘行為でロシアの民間人を殺害した場合や、攻撃を受けて自衛のために武器を使用し、ロシアの民間人を誤って殺害した場合はどのような罪に問われる可能性があるのか。

七 ウクライナ正規軍に義勇兵として参加した日本人が捕虜になり、保護、救援を求めた場合、どのような対応を行うことが想定できるか。

  右質問する。