質問主意書

第208回国会(常会)

質問主意書

質問第二号

ヘイトクライムに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和四年一月十七日

有田 芳生


       参議院議長 山東 昭子 殿



   ヘイトクライムに関する質問主意書

 アメリカやヨーロッパでは民族的差別などを理由とするヘイトクライムが頻繁に発生しています。日本でも二〇二一年八月三十日に京都府宇治市ウトロで起きた放火事件で逮捕された人物が、その前に愛知県の民団施設などに放火するなど、その動機が差別によるものではないかと報じられています。そこでヘイトクライムについて質問します。

一 政府はヘイトクライムについて、どういう犯罪だと認識していますか。

二 政府が、差別が動機だと推測される事件を捜査する場合、これまでどおり「法と証拠に基づき適切に対処する」のは当然です。しかし、差別的な動機を立証するために、どのような証拠を集めるのか、その捜査マニュアルが必要だと認識しませんか。今後そのようなマニュアルを検討する必要性があるとお考えかどうか、現状をお示しください。

三 アメリカなどの諸外国では、差別を動機とする犯罪であることが証拠に基づき立証された場合には、量刑が加重される場合があります。政府は、こうした諸外国のヘイトクライムに対する対応に関心を持っていますか。その認識をお示しください。

四 捜査においては、とくに外国人に対する偏見を克服する課題があります。京都府宇治市ウトロの放火事件でも、初動捜査では「盗電」が疑われています。政府は警察の日常活動において、外国人に対する偏見をなくしていくため、警察官などに対して啓蒙・啓発を行っていますか。現状の取り組みと認識をお示しください。

  右質問する。