質問主意書

第207回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二〇七第五〇号
  令和四年一月七日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出労働関係法制における「過半数代表者」をめぐる諸課題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出労働関係法制における「過半数代表者」をめぐる諸課題に関する質問に対する答弁書

一、三から五まで及び八について

 御指摘の「こうした法規範からの逸脱は(中略)労使による対等決定をできるだけ可能とするよう、制度設計を行うべき」、「職場の従業員を適正に代表するための制度的保障」、「過半数代表者によって代表される従業員の意見を反映・集約する機会と仕組み」及び「組織のサポートもない単独状態が普通」並びにお尋ねの「どのようなマイナスがあるか」、「使用側のインセンティブが働くか」、「過半数代表者の効果的な活動及び独立性」、「的確に使用者と対等な立場で対峙」及び「従業員の意思が適正に反映」の意味するところが必ずしも明らかではないが、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第三十六条第一項等に規定する労働者の過半数を代表する者が、適切に選出され、かつ、同項等に規定する協定等に関する事務を円滑に遂行できるよう、厚生労働省として、引き続き、労働基準関係法令の遵守について適切に指導を行うなど、必要な対応を行ってまいりたい。

二について

 お尋ねの「法で求められる民主的な選出に疑義が呈された事例」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、労働基準監督機関においては、個別の事例に応じ、労働基準法施行規則(昭和二十二年厚生省令第二十三号)第六条の二第一項に規定する労働者の過半数を代表する者(以下「過半数代表者」という。)について、同項及び同条第二項に規定する要件に適合するか否かを確認し、当該要件に適合しない場合には、事業主に対して必要な指導等を行っているところである。

六について

 お尋ねの「強行規定」の具体的に意味するところが明らかではなく、また、「実際に不利益な取扱いを行った場合には、どのような取扱いとなるか」とのお尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、労働基準監督機関においては、労働基準法施行規則第六条の二第三項に規定する不利益な取扱いが認められた場合には、過半数代表者が、適切に選出され、かつ、労働基準法に規定する協定等に関する事務を円滑に遂行できるよう、事業主に対して必要な指導等を行っているところである。

七について

 お尋ねについては、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律による改正後の労働基準法関係の解釈について」(平成三十年十二月二十八日付け基発一二二八第十五号厚生労働省労働基準局長通知)において、「例えば、過半数代表者が労働者の意見集約等を行うに当たって必要となる事務機器(イントラネットや社内メールを含む。)や事務スペースの提供を行うことが含まれる」と示しているところである。