質問主意書

第207回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二〇七第四九号
  令和四年一月七日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出鉄道等公共交通の安全確保に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出鉄道等公共交通の安全確保に関する質問に対する答弁書

一について

 政府としては、公共交通機関における安全の確保は重要な課題であると認識しており、引き続き、安全の確保に努めてまいりたい。

二について

 国土交通省においては、令和三年十月三十一日に発生した京王電鉄株式会社京王線の列車内における傷害事件(以下「京王線車内傷害事件」という。)等を受け、同年十二月三日に取りまとめた「京王線車内傷害事件等の発生を受けた今後の対策について」(以下「車内傷害事件対策」という。)において、「車内防犯カメラの設置」を含む「車内の防犯関係設備の充実」に関し、「費用面も考慮しつつ、必要な基準の見直しや費用負担のあり方も含め検討を開始する」としており、まずは、同月十四日から、有識者等をその構成員とする技術基準検討会において、防犯関係設備等に係る技術基準について、検討を開始したところである。

 また、防犯カメラの周知の在り方についても、当該検討会における検討と並行して、検討していく考えである。

三について

 御指摘の「車内非常通報装置」については、鉄道に関する技術上の基準を定める省令(平成十三年国土交通省令第百五十一号)第八十一条第一項第五号の規定に基づき、既に車両の附属装置として設置されているものと承知している。

四について

 政府としては、御指摘の「安全性向上に向けての国民への周知・啓発」は重要なものであると認識しており、京王線車内傷害事件等を受け、利用者に対し、「非常時には躊躇なく非常通報装置のボタンを押すこと」等の協力を呼び掛けてきたところである。車内傷害事件対策においても、「各種非常用設備の表示の共通化」を検討し実施するとともに、利用者に対し、改めて同様の協力を呼び掛けることとしている。

 また、御指摘の不審者を見掛けた際の対応については、令和三年八月六日に発生した小田急電鉄株式会社小田原線の列車内における傷害事件を受け、同年九月二十四日に国土交通省が取りまとめた対策に基づいて、ポスター等を用いて、利用者に対し、不審者を見掛けた際には係員又は警察官に一報するよう呼び掛けているところである。

五について

 警察庁においては、京王線車内傷害事件等を受け、鉄道施設における犯罪抑止等に更に努めるため、都道府県警察に対し、鉄道事業者との連携を一層密にしつつ、効果的な警乗の実施等を推進するよう指示したところである。