質問主意書

第207回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二〇七第二七号
  令和三年十二月二十八日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員浜田聡君提出プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律施行令案の事前評価書に記載の「代替案との比較」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田聡君提出プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律施行令案の事前評価書に記載の「代替案との比較」に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「取組が不可能な場合」については、例えば、特定プラスチック使用製品提供事業者(プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(令和三年法律第六十号。以下「法」という。)第二十八条第一項に規定する「特定プラスチック使用製品提供事業者」をいう。)が提供するプラスチック使用製品(法第二条第一項に規定する「プラスチック使用製品」をいう。以下同じ。)の提供を希望するか否かについて、消費者の意思を確認することができない場合等を想定している。

二について

 お尋ねの「プラスチック使用製品をさほど提供していない業種を取組の対象から外したのは何故か」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律施行令案に対する規制の事前評価書」(以下「本件評価書」という。)において記載しているとおり、「対象業種」については、「①プラスチック使用製品の提供量の多い業種であること」及び「②使用の合理化を行うことが期待される業種であること」の観点から検討を行い、事業者が取り組むべき措置に関して判断の基準を定める対象としたものであり、また、各業種の事業の内容に照らしてプラスチック使用製品の提供量が多いとは想定し難い業種について、本件評価書において「さほど提供していない」業種として記載したものである。

 また、お尋ねの「さほど使われていないものは環境等を気にせずに使っても良いというメッセージにも取れるため、望ましくないのではないか」の意味するところが必ずしも明らかではないが、法第四条において、事業者及び消費者の責務として、「プラスチック使用製品の使用の合理化により、プラスチック使用製品廃棄物の排出を抑制する(中略)よう努めなければならない」と規定され、また、法第五条において、国の責務として、「教育活動、広報活動等を通じて、プラスチックに係る資源循環の促進等に関する国民の理解を深めるとともに、その実施に関する国民の協力を求めるよう努めなければならない」と規定されており、御指摘は当たらない。

三について

 プラスチック使用製品について、商品の販売又は役務の提供に付随して消費者に無償で提供される全ての製品名や種類を特定することは困難であることから、お尋ねにお答えすることは困難である。

四及び五について

 お尋ねの「負担の差」の意味するところが必ずしも明らかではないが、事業者によって負担の内容や程度が異なることから、一概にお答えすることは困難である。

 また、お尋ねの「規制の対象の区切りを五トンとした根拠」については、本件評価書に記載しているとおり、「①同一都道府県内で複数の店舗を有する中堅の店舗等を経営する事業者などは対象とする必要がある一方で、家族経営や個人経営の店舗等の事業者を対象から除くことが適切であること」、「②容器包装再商品化法においても同様の観点から容器包装多量利用事業者を年間五十トン以上利用している事業者と規定していること」という観点から検討を行い、五トンとしたものである。

六について

 お尋ねの「要件を厳格化すると事業者数がどれだけ増加するか」については、「勧告等の対象となる多量排出事業者」の数が「要件を厳格化する」程度に応じて変化することから、一概にお答えすることは困難である。

 また、お尋ねの「排出量が年間二百五十トン以上の事業者と年間二百五十トン未満の事業者と比較して負担がどのように異なるのか」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「社会全体として負担が大きくなるという点」については、本件評価書において、「②事業規模が小さい事業者にまで排出の抑制及び再資源化等に係る取組を実施する義務を課すと過度な負担となる」、「③全ての事業者を勧告等の対象とした上で、その取組を監督することは限られた行政資源の中で費用対効果が現実的なものとはならない」と記載したとおりである。

七について

 お尋ねの「具体的にどこからどこまでの検討をどのような場でどのような形式で行い、どのような事実をもとに代替案とどのように比較し検討を進めたのか」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「規制の政策評価の実施に関するガイドライン(平成十九年八月二十四日政策評価各府省連絡会議了承)」においては、「代替案との比較」について、「代替案としては、権限行使の主体が異なる案、行政行為や遵守確保手段等が異なる案、基準、期間等の内容が異なる案などが考えられる」とされており、本件評価書においては、ガイドラインの趣旨を踏まえ、規制案についてその適用対象となる要件や範囲を変更したケースと比較した結果を適切に記載しているものと認識している。