質問主意書

第207回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二〇七第二号
  令和三年十二月十七日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員吉川沙織君提出立法不作為等に係る訴訟への対応に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員吉川沙織君提出立法不作為等に係る訴訟への対応に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「国会議員の立法行為又は立法不作為が国家賠償法第一条第一項の適用上違法である旨を主張する訴訟(以下「立法不作為等に係る訴訟」という。)」については、国の利害に関係のある訴訟についての法務大臣の権限等に関する法律(昭和二十二年法律第百九十四号)第一条により法務大臣が国を代表し、同法第二条第一項及び第二項により同大臣が指定した職員が訴訟を行っている。

二について

 お尋ねの「立法不作為等に係る訴訟」が提起された場合、「訟務局訟務処理準則」(平成六年十二月五日付け訟総第八百二十二号訟務局長通達。以下「処理準則」という。)第二十七条第一項又は「法務局及び地方法務局訟務処理細則」(平成六年十二月五日付け法務省訟総第八百二十号訟務局長通達。以下「処理細則」という。)第三十四条第一項により、衆議院及び参議院に対し、訴状等の写しその他の資料を添付して、事件を受理した旨を通報している。

三及び四について

 お尋ねについては、いずれも通常の業務において集計していないため、網羅的に把握しておらず、お答えすることは困難である。

五について

 お尋ねの「立法不作為等に係る訴訟」について判決が言い渡された場合、処理準則第二十八条第一項又は処理細則第三十四条第五項により、必要があるときは、衆議院及び参議院に対し、判決書の正本等の写しを添付して、判決が言い渡された旨を通報している。

六について

 お尋ねの「下級裁判所における立法不作為等に係る訴訟が国に不利益な結果となった場合」の意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねの「立法不作為等に係る訴訟」が国に不利益な裁判によって終了したときは、当該訴訟に係る上訴の要否を判断するため、処理準則第二十八条第三項により、必要があるときは、衆議院及び参議院に対し、上訴の提起に関する意見を求め、又は処理細則第三十四条第七項により、衆議院及び参議院に対し、上訴の提起に関する意見を求めている。

七について

 お尋ねについては、個別具体的な事案に即して判断されるべき事柄であることから、一概にお答えすることは困難である。

八について

 お尋ねについては、衆議院及び参議院を含む関係機関の意見を踏まえ、適切に対応することになる。

九について

 お尋ねについては、国会に関する事柄であることから、政府としてお答えする立場にない。

十について

 お尋ねについては、個別具体的な事案に即して判断されるべき事柄であることから、一概にお答えすることは困難であるが、いずれにせよ、判決の内容を精査した上で、適切に対応することになる。

十一について

 お尋ねの「立法不作為等に係る訴訟」について国が上訴した場合、処理準則第二十八条第一項又は処理細則第三十四条第五項により、必要があるときは、衆議院及び参議院に対し、控訴状等の写しを添付して、上訴した旨を通報している。

十二について

 お尋ねの「明文の決まり」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「立法不作為等に係る訴訟において国の敗訴が確定し、賠償金の支払が命じられた場合、国のどの組織の予算から支出するのか」について直接に定める法令の規定は存在せず、事案に応じて関係機関が適切に対応することになる。

十三について

 お尋ねについては、国会に関する事柄であることから、政府としてお答えする立場にない。

十四について

 お尋ねの「立法不作為等に係る訴訟における賠償金の支出の在り方」については、第一義的には衆議院及び参議院において御議論いただくことと理解しており、政府としてお答えすることは差し控えたい。