質問主意書

第207回国会(臨時会)

質問主意書

質問第三八号

財政の単年度主義に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和三年十二月二十日

木戸口 英司


       参議院議長 山東 昭子 殿



   財政の単年度主義に関する質問主意書

 岸田総理大臣は、令和三年十月八日の参議院本会議における所信表明演説の中で、分配戦略の一環として「公的分配を担う財政の単年度主義の弊害是正です。科学技術の振興、経済安全保障、重要インフラの整備など、国家課題に計画的に取り組みます」と述べた。これを踏まえ、政府の単年度主義の考え方について以下質問する。

一 予算の単年度主義の原則は、国会における予算の議決は各会計年度毎に行うべしという原則であり、議会の予算に対する審議権の確保の要請から来るものであって、法的根拠は日本国憲法第八十六条にあると理解している。岸田総理が述べた「財政の単年度主義」は、予算の単年度主義と同義であるのか。「財政の単年度主義」の意味について示されたい。

二 「財政の単年度主義の弊害」とはいかなるものか。また、その弊害について、具体的に示されたい。

三 政府は「財政の単年度主義の弊害是正」のためにどのような取組を行うのか。その取組は令和三年度補正予算において示されているのか。また、令和四年度予算においてどのように取り組んでいく方針であるのか。

四 基金の活用は予算の単年度主義の原則の例外であるにもかかわらず、令和三年度補正予算においては、多くの新規基金の造成又は既存基金への追加のための経費が計上されている。これらは「財政の単年度主義の弊害是正」に対する取組と認識しているのか。

五 令和三年度補正予算で新規造成又は拡充される基金について、令和三年十二月十七日の参議院予算委員会における鈴木財務大臣の答弁によれば、新規造成が一・一兆円、既存の基金の拡充が四兆円とされる。それぞれについて、一般会計と特別会計に分けて、基金の名称及び令和三年度補正予算における基金ごとの予算措置額を示されたい。

六 当初予算よりも補正予算において、数においても、規模においてもより多くの基金が新規造成又は拡充されている理由を示されたい。

七 基金については、「活用が不十分である」、「過大な規模の金額が積み上げられている」などの批判がある。政府はこうした指摘をどのように受け止めているのか。政府の見解を示されたい。

  右質問する。