質問主意書

第206回国会(特別会)

答弁書

内閣参質二〇六第一七号
  令和三年十一月二十四日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出ヤングケアラーの実態、支援の必要性及び取組の実効性の確保等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出ヤングケアラーの実態、支援の必要性及び取組の実効性の確保等に関する質問に対する答弁書

一について

 ヤングケアラーに対する支援策については、福祉、介護、医療、教育等の様々な制度に関連するものであることから、分野横断的な取組が重要であり、各制度においてそれぞれ連携を図りつつ、適切な支援につなげていくことが重要であると考えている。このため、令和三年三月に厚生労働省及び文部科学省において「ヤングケアラーの支援に向けた福祉・介護・医療・教育の連携プロジェクトチーム」を立ち上げ、同年五月には今後取り組むべき施策について取りまとめた報告書を公表したところであり、当該報告書を踏まえ、引き続き関係部局が連携してヤングケアラーの支援に取り組んでいくこととしているため、現時点において、御指摘の「組織体制」の検討については考えていない。なお、「澁谷参考人の発言」に関するお尋ねについては、国会において行われた参考人質疑における参考人の発言に関するものであり、政府としてお答えすることは差し控えたい。

二について

 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号)第二十二条第一項の規定に基づき、市町村は、介護給付費等の支給の申請があったときは、ヤングケアラーを含む障害者等の介護を行う者の状況のみでなく、当該障害者等の障害支援区分、当該障害者等の置かれている環境、当該申請に係る障害者等又は障害児の保護者の障害福祉サービスの利用に関する意向等様々な事項を勘案して介護給付費等の支給の要否の決定を行うものとされていること等から、特定の事項の支給決定(同法第十九条第一項に規定する支給決定をいう。以下同じ。)への影響を定量的に把握することは困難であり、御指摘の事務連絡による「介護給付費等の支給決定への具体的な影響」について一概にお答えすることは困難であるが、引き続き、介護給付費等の支給決定に当たっては、子どもらしい暮らしが奪われることのないよう、家族へのケアに係るヤングケアラーの負担等に配慮することについて、周知に努めてまいりたい。

三について

 御指摘の「高崎市の支援例」については、検討中の段階であると承知しており、お尋ねについてお答えすることは差し控えたい。なお、厚生労働省においては、令和四年度概算要求において、ヤングケアラーがいる家庭等に対してヘルパーを派遣し、不安や悩みを傾聴する相談支援や家事・育児支援等を行う市区町村の事業に対し、これに要する経費の一部を補助するための経費を計上したところである。

四について

 御指摘の「学校に来られないような厳しい状況にあるヤングケアラー」については、学校を通じて把握することが困難であることに留意し、福祉、介護、医療、教育等の関係機関が連携して把握し、適切な支援につなげていくことが重要であると考えている。