質問主意書

第206回国会(特別会)

質問主意書

質問第一号

北朝鮮による拉致問題と不審船に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和三年十一月十日

有田 芳生


       参議院議長 山東 昭子 殿



   北朝鮮による拉致問題と不審船に関する質問主意書

 私は令和三年十月四日に「北朝鮮による拉致問題と不審船に関する質問主意書」(第二百五回国会質問第三号。以下「前回質問主意書」とする。)を提出いたしました。政府認定拉致被害者が拉致されたとき、政府はその周辺に不審船の存在を確認していたかどうか。いたってシンプルに事実認識を確認するのが目的でした。その答弁(内閣参質二〇五第三号)に疑問があるので、改めて質問いたします。

一 私は前回質問主意書の二において、「政府は以下に列挙する特定の日付(拉致行為が行われた日あるいは可能性がある日)前後に、それぞれの地域の海上で不審船が出没したと認識していますか。不審船を確認しているのであれば、何日間海上で確認されたのか、あるいはどのぐらいの時間滞在していたのかを船舶の種類(木造船かどうか。横浜海上保安資料館に展示された沈没工作船のような形態か。)とともに明らかにしてください。また、不審な電波の傍受があったことを認識していますか。」と問いました。政府の答弁は、私が特定した昭和五十二年九月十九日、昭和五十二年十月二十一日、昭和五十二年十一月十五日、昭和五十三年七月七日、昭和五十三年七月三十一日、昭和五十三年八月十二日の六つの日付に対して、それぞれの日及びその前後一日については「海上保安庁が確認した事例はない」というものでした。

 私が平成二十五年二月七日に提出した「拉致問題と不審船に関する質問主意書」(第百八十三回国会質問第一九号)に対する答弁(内閣参質一八三第一九号)では、海上保安庁が確認した「工作船と考えられるような武装の可能性のある船舶」が、「昭和五十二年度が二隻、うち日本海二隻」とあります。政府は、この二隻を何月何日に確認したのでしょうか。その認識をお示しください。

二 地村保志さん、地村富貴恵さんは昭和五十三年七月七日に、蓮池薫さん、蓮池祐木子さんは昭和五十三年七月三十一日に拉致されました。さらに曽我ひとみさんは昭和五十三年八月十二日に拉致されています。いずれも船舶に乗せられて北朝鮮に連れて行かれたと証言しています。海上保安庁はその日に「工作船と考えられるような武装の可能性のある船舶」を確認できなかったのですか。政府の認識をお示しください。

三 政府は前回質問主意書の二に対して「「不審な電波の傍受」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である」と答弁しました。しかし文脈を理解すれば「工作船と考えられるような武装の可能性のある船舶」からの電波通信を傍受したかという意味であることは明らかです。海上保安庁は海上無線の傍受をしていないのですか。政府の認識をお示しください。さらに私が前回質問主意書で問うた九つの日付において、当該地域の海上での不審な電波通信を傍受しましたか。その認識をお示しください。

  右質問する。