質問主意書

第205回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二〇五第四七号
  令和三年十月二十六日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員小西洋之君提出岸田政権の令和版所得倍増の実態に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小西洋之君提出岸田政権の令和版所得倍増の実態に関する質問に対する答弁書

一について

 池田内閣(当時)の「国民所得倍増計画」(昭和三十五年十二月二十七日閣議決定。以下「計画」という。)が策定された当時の日本経済は、世界にも類例の少ない高度の成長を遂げていた。計画は、国民総生産を倍増して、雇用の増大による完全雇用の達成を図り、国民の生活水準を大幅に引き上げることを目的としていた。十年以内に国民総生産が二十六兆円(昭和三十三年度価格)に到達すること等を目標に掲げており、これは、昭和三十六年度から目標年次の昭和四十五年度までの期間の平均で、実質国民総生産の年率七・八パーセントの成長に相当するものである。実質国民総生産の成長率の実績については、平成十年度版国民経済計算年報によると、同期間の平均で、年率十・〇パーセントと計算される。

二から四までについて

 御指摘の「令和版所得倍増」は、平均所得や所得総額の単なる倍増を企図したものとしてではなく、岸田内閣総理大臣が令和三年十月十二日の参議院本会議において答弁したとおり、「一部ではなく、広く、多くの皆さんの所得を全体として引き上げるという、私の経済政策の基本的な方向性」として示されたものであり、その趣旨は明確にされており、「国民を欺くもの」との御指摘は当たらない。当該方向性の下、成長戦略と分配戦略を車の両輪として、成長と分配の好循環の実現を図っていくこととしている。池田内閣(当時)の計画のような具体的な数値目標を盛り込んだ経済計画を策定することは現時点で考えていない。