質問主意書

第205回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二〇五第三六号
  令和三年十月二十二日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員川田龍平君提出HPVワクチンの積極的勧奨再開に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員川田龍平君提出HPVワクチンの積極的勧奨再開に関する質問に対する答弁書

一について

 ヒトパピローマウイルスワクチン(以下「HPVワクチン」という。)の定期接種の積極的な勧奨の在り方については、令和三年十月一日に開催された厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議において、「事務局におきましては、・・・積極的勧奨の再開に当たっての具体的な進め方を整理し、改めて部会で御報告いただき、そして、その上で結論を得る」とされたところであり、現時点において、お尋ねについて、予断を持ってお答えすることは差し控えたい。

二の1及び2について

 HPVワクチンの接種後の健康被害に対する御指摘の「予防接種法に基づく救済」について、平成二十七年九月十八日から令和三年三月三十一日までの疾病・障害認定審査会感染症・予防接種審査分科会における「救済の種別」ごとの「審査数」は、医療費及び医療手当(予防接種法(昭和二十三年法律第六十八号)第十六条第一項第一号に規定するものをいう。以下同じ。)が五十八件、障害児養育年金(同項第二号に規定するものをいう。以下同じ。)が四件、障害年金(同項第三号に規定するものをいう。以下同じ。)が三件であり、それぞれの「認定数」は三十一件、三件、二件である。また、同法第十五条第一項の規定により厚生労働大臣が認定を行った御指摘の「三十人」について、予防接種法施行規則(昭和二十三年厚生省令第三十六号)第十条第一項若しくは第十一条第一項、第十一条の二第一項若しくは第十一条の三第一項又は第十一条の四第一項若しくは第十一条の五第一項に規定する請求書を厚生労働省が受理した日から同大臣が当該認定を行った日までの平均日数は、医療費及び医療手当が五百三十七日、障害児養育年金が三百六十九日、障害年金が五百九十五日である。

 また、HPVワクチンの接種後の健康被害に対する御指摘の「独立行政法人医薬品医療機器総合機構法に基づく救済」に関するお尋ねについては、調査に膨大な時間を要することから、お答えすることは困難である。

二の3について

 HPVワクチンの接種後の健康被害に対する救済について、御指摘の「考え方」を変更することは、現時点においては考えておらず、お尋ねの「HPVワクチン接種後に生じた「多様な症状」の患者」の場合を含め、当該「考え方」に基づいて適切に認定し、給付を行う考えである。

三の1について

 「ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に生じた症状の診療に係る協力医療機関における診療状況の報告について(依頼)」(平成二十七年一月八日付け健感発〇一〇八第六号厚生労働省健康局結核感染症課長通知)等に基づく報告(以下「診療状況報告」という。)は、「ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に広範な疼痛又は運動障害を中心とする多様な症状を呈する患者」(以下「患者」という。)の「協力医療機関の受診状況について把握」するために都道府県に対して求めたものであるが、都道府県の負担となっていたこと、また、患者について、医師がこれらの症状と当該接種との関連性を認めた場合は、予防接種法第十二条第一項の規定による報告等で把握が可能であることから、平成二十九年度以降は報告を求めていないため、御指摘の「本資料十六頁」において、平成二十九年四月以降の協力医療機関を受診した患者数は示していない。

三の2について

 診療状況報告については、他の情報と照合することにより協力医療機関を受診した患者が特定されるおそれがあるため、個人情報保護の観点から公表しないこととしており、また、お尋ねの「受診者数の月ごとの推移」及び「平均入通院日数」について報告を求めていないことから、お尋ねについてお答えすることは困難である。