質問主意書

第205回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二〇五第四号
  令和三年十月十五日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員田島麻衣子君提出東京オリパラ大会の公費補填と情報公開に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員田島麻衣子君提出東京オリパラ大会の公費補填と情報公開に関する質問に対する答弁書

一について

 東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会(以下「大会」という。)の実施主体である公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(以下「組織委員会」という。)からは、東京オリンピック競技大会におけるチケットの一般販売枚数は約四万枚であり、東京パラリンピック競技大会におけるチケットの一般販売枚数は零枚であると聞いている。大会のチケット収入については、組織委員会において精査中であると承知している。

二について

 お尋ねの「最新の見通し」の意味するところが必ずしも明らかではないが、令和二年十二月二十二日に組織委員会が公表した組織委員会予算において、組織委員会の収入項目のうち、「収支調整額」は百五十億円であり、収入の合計額は七千二百十億円とされていると承知している。

三について

 政府においては、①大会運営、大会の開催機運の醸成又は大会成功に直接資すること及び②大会招致を前提に、新たに、又は、追加的に講ずる施策であることの両方に該当する予算事業について、大会に関係する予算として整理しており、令和三年一月二十二日に内閣官房が公表した大会に関係する予算(以下「大会関係予算」という。)における平成二十五年度当初予算から令和三年度当初予算までの合計額は、約三千九百五十九億円である。

四について

 令和二年十二月二十二日に組織委員会が公表した組織委員会及びその他の経費(以下「組織委員会及びその他の経費」という。)は、組織委員会が大会の準備や運営等に直接必要となる予算事業について整理したものであり、大会関係予算とはその性格が異なることから、これらを単純に比較することは困難であるが、大会関係予算に含まれているものの、組織委員会及びその他の経費に含まれていない主な事業としては、競技力の強化に関連する予算で約千二百九十九億円、セキュリティに関連する予算で約五百三十六億円、国が実施する新型コロナウイルス感染症対策に関連する予算で約二百四十九億円がある。他方、大会関係予算に含まれていないが、組織委員会及びその他の経費に含まれている主な事業としては、スポーツ振興くじの特定金額を財源とする新国立競技場の整備で約三百九十五億円がある。

五について

 大会の収入及び支出については、組織委員会において精査中であると承知しているが、組織委員会が資金不足に陥った場合については、令和三年五月二十日の参議院文教科学委員会において、丸川国務大臣(当時)が「よく費用負担のこと、政府が、じゃ何かあったときに幾らどう負担するんだということを問われるわけでございますが、これについては、立候補ファイルというのがまさに招致の前に示されるわけですね。平成二十五年、そのファイルに示されている中身というものを私どもは承知をしております。ここには、東京都が、まず、組織委員会が資金不足に陥りますと東京都が補填するということが一にあって、二に、東京都が補填し切れなかった場合は最終的には国が国内の関係法令に従い補填することというふうになっております。」と述べているとおりである。

六について

 お尋ねの「大幅な赤字となった場合」の意味するところが必ずしも明らかではないが、組織委員会が国際オリンピック委員会に費用負担を求めることがあるかについては、政府としてお答えする立場にない。

七について

 お尋ねの「もし、公費補填が行われるのであれば」の意味するところが必ずしも明らかではないが、組織委員会における、民間事業者との個々の契約の詳細については、当該契約に基づいて公開をしないものと承知している。

八について

 お尋ねの「文書など」の意味するところが必ずしも明らかではないが、組織委員会により作成された文書の取扱いについては、組織委員会において適切に判断されるべきものであると考えており、政府としてお答えする立場にない。