質問主意書

第204回国会(常会)

答弁書


内閣参質二〇四第一二一号
  令和三年六月二十五日
内閣総理大臣 菅 義偉


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出中央銀行デジタル通貨に対する現状認識と今後の取組方針に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出中央銀行デジタル通貨に対する現状認識と今後の取組方針に関する質問に対する答弁書

一について

 令和二年十月九日に日本銀行が公表した「中央銀行デジタル通貨に関する日本銀行の取り組み方針」(以下単に「方針」という。)において、中央銀行デジタル通貨(以下「CBDC」という。)については、イノベーションの促進等を考慮しつつ、中央銀行と民間事業者の協調・役割分担の在り方をしっかりと検討していく必要があるとされており、政府としても、このような観点に留意しながら、検討を進めることが重要であると考えている。

二について

 お尋ねの「実証実験において、解決すべき課題」については、方針において、CBDCが具備すべき基本的な特性として、ユニバーサルアクセス、セキュリティ、強靭性、即時決済性及び相互運用性が挙げられていると認識している。

 また、お尋ねの「日本銀行による実証実験の今後のスケジュールや実験の内容」については、方針等に沿って、令和三年四月から令和四年三月までとされている概念実証フェーズ一では、CBDCの発行、流通及び還収の基本機能に関する検証が行われており、その目的が達成され次第実施される概念実証フェーズ二では、フェーズ一で構築した実験環境にCBDCの周辺機能を付加して、当該周辺機能の実現可能性等の検証が行われるものとされ、さらに必要と判断されれば、パイロット実験を行うことも検討されていくものと承知している。

三について

 「経済財政運営と改革の基本方針二〇二一」(令和三年六月十八日閣議決定)において、「CBDCについて、政府・日銀は、二千二十二年度中までに行う概念実証の結果を踏まえ、制度設計の大枠を整理し、パイロット実験や発行の実現可能性・法制面の検討を進め」、その際、「国際的な動向にも十分留意しつつ、検討する」とされている。

四について

 他国のCBDCの動向について評価することは差し控えるが、「デジタル人民元」の動向について注視してまいりたい。

五について

 他国のCBDCの動向について評価することは差し控えるが、米国とは、財務省及び中央銀行間で緊密に情報交換を行っており、今後とも適切に連携してまいりたい。

六について

 令和三年六月五日に公表された七箇国財務大臣・中央銀行総裁声明においては、CBDCの共通の原則に向けて作業するとされており、政府としては、引き続き、こうした議論に積極的に参画してまいりたい。