質問主意書

第204回国会(常会)

答弁書


内閣参質二〇四第一〇二号
  令和三年六月二十五日
内閣総理大臣 菅 義偉


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出いわゆる名ばかり事業主問題を始めとするフリーランスの就業状況の改善に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出いわゆる名ばかり事業主問題を始めとするフリーランスの就業状況の改善に関する質問に対する答弁書

一の1について

 いわゆるフリーランスとしての働き方は様々であることから、フリーランスの一日当たりの就業時間や年収は多様であるが、内閣官房が令和二年に実施した「フリーランス実態調査」(「①自身で事業等を営んでいる」、「②従業員を雇用していない」、「③実店舗を持たない」及び「④農林漁業従事者ではない」者で「法人の経営者を含む」ものを対象とした調査)によれば、フリーランスの一日当たりの平均就業時間は、二時間以上四時間未満が十九・八パーセントと最も多く、また、主たる生計者が本業として行うフリーランスとしての年収は、二百万円以上三百万円未満が十九パーセントと最も多いと承知している。

一の2について

 「この問題提起」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、フリーランスとして働く方々が安心して働ける環境を整備することが重要であると認識しており、令和三年三月に内閣官房、公正取引委員会、中小企業庁及び厚生労働省において「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」を策定したところである。

二について

 事業主が労働関係法令を遵守すべきことは当然であり、これに違反する行為は、理由の如何を問わず許されるものではない。御指摘のような事例について、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第九条に規定する労働者に該当するか否かの具体的な事案における判断は、契約の形態にかかわらず、労務提供の形態や報酬の労務対償性及びこれらに関連する諸要素も勘案して総合的に行うものである。都道府県労働局を含む労働基準監督機関においては、個別の事例に応じ、同法その他の労働基準関係法令に規定する労働者に該当するか否かを判断し、これに該当する場合には、事業主に対して、労働基準関係法令の遵守について適切に指導を行っているところである。このような取組等を通じて、今後とも、事業主に対して労働基準関係法令の遵守を徹底させるとともに、事業主や働く人の労働関係法令の理解の促進に努めてまいりたい。

三について

 お尋ねの「脱法的フリーランス化」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

四について

 御指摘の「雇用的自営」の範囲が必ずしも明らかではないため、お尋ねについてお答えすることは困難であるが、フリーランスについては、令和三年三月に内閣官房、公正取引委員会、中小企業庁及び厚生労働省において「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」を策定し、関係省庁のホームページに掲載する等その周知を図っているところであり、引き続き、フリーランスとして安心して働ける環境の整備に努めてまいりたい。