質問主意書

第204回国会(常会)

答弁書


内閣参質二〇四第九九号
  令和三年六月二十五日
内閣総理大臣 菅 義偉


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員安達澄君提出西村康稔大臣の組織マネジメント等の改善状況に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員安達澄君提出西村康稔大臣の組織マネジメント等の改善状況に関する質問に対する答弁書

一について

 内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室(以下「コロナ室」という。)においては、新型コロナウイルス感染症対策という困難な国家的課題に対応してきているところであるが、その超過勤務の状況を踏まえ、職場全体の超過勤務の削減と業務の効率化に向けた取組を進めてきたところである。お尋ねの各月において、①コロナ室の職員(内閣官房において、一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号。以下「一般職給与法」という。)の規定による超過勤務手当及び休日給の支給対象となる職員をいう。以下一について及び三についてにおいて同じ。)が一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律(平成六年法律第三十三号)第十三条第一項に規定する正規の勤務時間以外に在庁した時間として、内閣官房において、職員からの報告に基づき把握している時間(以下「時間外在庁時間」という。)の平均、②①を令和三年一月における当該平均である約百二十四時間と比較した場合の増減及び③当該増減分の時間の同年一月における当該平均に対する割合をお示しすると、それぞれ次のとおりである。

 同年三月 ①約八十九時間 ②約三十五時間減 ③約三割

 同年四月 ①約九十五時間 ②約二十九時間減 ③約二割

 同年五月 ①約九十二時間 ②約三十二時間減 ③約三割

 お尋ねの各月において、①コロナ室において、時間外在庁時間が最も長かった職員の時間外在庁時間、②①を同年一月における当該時間外在庁時間である約三百九十一時間と比較した場合の増減及び③当該増減分の時間の同年一月における当該時間外在庁時間に対する割合をお示しすると、それぞれ次のとおりである。

 同年三月 ①約百八十時間 ②約二百十一時間減 ③約五割

 同年四月 ①約二百四時間 ②約百八十七時間減 ③約五割

 同年五月 ①約二百二時間 ②約百八十九時間減 ③約五割

 また、お尋ねの各月において、①コロナ室の職員の超過勤務時間(一般職給与法の規定による超過勤務手当及び休日給が支給された時間をいう。以下同じ。)の平均、②①を同年一月における当該平均である約百二十二時間と比較した場合の増減及び③当該増減分の時間の同年一月における当該平均に対する割合をお示しすると、それぞれ次のとおりである。

 同年三月 ①約八十九時間 ②約三十三時間減 ③約三割

 同年四月 ①約九十五時間 ②約二十七時間減 ③約二割

 同年五月 ①約九十二時間 ②約三十時間減 ③約二割

 お尋ねの各月において、①コロナ室において、超過勤務時間が最も長かった職員の超過勤務時間、②①を同年一月における当該超過勤務時間である約三百七十八時間と比較した場合の増減及び③当該増減分の時間の同年一月における当該超過勤務時間に対する割合をお示しすると、それぞれ次のとおりである。

 同年三月 ①約百八十時間 ②約百九十八時間減 ③約五割

 同年四月 ①約二百四時間 ②約百七十四時間減 ③約五割

 同年五月 ①約二百二時間 ②約百七十六時間減 ③約五割

 また、お尋ねの「調査の対象としたコロナ室の職員の人数」については、同年三月末日時点で四十八名、同年四月末日時点で五十名、同年五月末日時点で四十七名である。

二について

 コロナ室の全職員の人数は、令和三年一月末日時点では百二名であったところ、関係省庁の協力を得るなどして増員を図り、同年三月末日時点で百十三名、同年四月末日時点で百十三名、同年五月末日時点で百十七名である。コロナ室においては、国会対応、関係省庁や地方公共団体等との連絡調整、専門家との打合せ等があるため、テレワークの実施は困難が伴うが、同年三月から五月までの平日に「内閣官房テレワーク実施マニュアル」(平成三十一年一月内閣総務官室)に基づき、一日単位でテレワークを実施した職員は、同年三月においては延べ二十二名であり一日当たり約一名、同年四月においては延べ二十三名であり一日当たり約一名、同年五月においては延べ二十九名であり一日当たり約二名である。また、一日単位でのテレワークの実施が困難な場合に奨励している時間単位でのテレワークを実施した職員は、同年三月においては延べ二十九名、同年四月においては延べ二十一名、同年五月においては延べ十八名である。あわせて、テレワークの実施が困難であることから、職員の負担軽減及び出勤者数の削減を図るため、職員に対して休暇取得を奨励しており、その結果、終日休暇を取得した職員は、同年三月においては延べ八十九名、同年四月においては延べ五十一名、同年五月においては延べ五十八名である。

三について

 コロナ室において、人事院規則一○―四(職員の保健及び安全保持)第二十二条の二の規定等に基づいて行わなければならない医師による面接指導の対象となった職員(令和三年六月八日時点でコロナ室の職員である者に限る。)は、同年三月においては二十六名、同年四月においては三十一名、同年五月においては三十一名であり、これを受けて、育児休業中等のため日程調整がつかなかった四名を除き全員が面接指導を受けているが、この四名についても、今後、遅滞なく面接指導を行うこととしている。これまでの取組により超過勤務時間を削減してきたが、今後とも業務改善の取組を強化するとともに、職員の健康管理に万全を尽くすこととしている。

四について

 令和三年四月六日の記者会見で西村国務大臣が発言したテレワーク実施率は、一日単位でテレワークを実施した者及び終日休暇を取得した者の割合である。

 同大臣の、新型コロナウイルス感染症への対応及び環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(平成三十年条約第十六号)に関連する対応のほか、経済再生担当、全世代型社会保障改革担当及び経済財政政策担当と多岐にわたる職務のため、同大臣のテレワークの実施は困難ではあるが、平日において半日実施が三回あるほか、土日及び祝日においても、最新の新型コロナウイルス感染症の感染状況を把握しその対応策を検討するため、テレワークで参加者を幹部職員に限定したウェブ会議を十三回実施している。このような対応となっているのは、同大臣は、その具体的職務として、例えば、同年三月一日から六月二十四日までの間において、国会審議における答弁七百六十二回、当該答弁のための国会の委員会等への出席四十八日、記者会見五十五回、新型インフルエンザ等緊急事態宣言の諮問等のための新型インフルエンザ等対策推進会議基本的対処方針分科会等への出席十一回、官邸で行われる会議(週二回の定例閣議を含む。)への出席六十九回、内閣府内で行われる研究会等への出席十三回、外国政府の閣僚との会合十四回、全国知事会との意見交換六回、経済団体との意見交換十一回、地方公共団体又は業界団体からの要望への対応及び意見交換二十二回、現場視察四回のほか、緊密かつ頻繁な専門家との意見交換等を行っており、一日全てをテレワークとすることは困難であるためである。

五について

 新型コロナウイルス感染症対策は、大変重要な課題であり、同感染症の感染状況が日々変化する中で多くの業務に対応する必要があるが、西村国務大臣は、和田大臣政務官をコロナ室の業務改善担当に命じその補佐を得つつ、コロナ室の職員の超過勤務、テレワークの実施及び休暇取得の状況を、毎週一回の頻度で自ら確認し、幹部職員を集めて具体的な改善方策を指示するとともに、コロナ室の増員を行うこと、自ら巡回を行い早期退庁を促すこと、業務の効率化を図ること等により、超過勤務時間を削減して一定の効果を上げたが、今後とも、コロナ室の職員の超過勤務の削減、テレワークの推進及び休暇取得の促進に向けて、一層業務の見直しや分担の徹底など業務改善の取組を強化することとしている。