質問主意書

第204回国会(常会)

答弁書


内閣参質二〇四第八一号
  令和三年六月十一日
内閣総理大臣臨時代理        
国務大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員蓮舫君提出新型コロナウイルス感染症対策ワクチン接種に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員蓮舫君提出新型コロナウイルス感染症対策ワクチン接種に関する質問に対する答弁書

一、三及び四について

 お尋ねの「「接種順位」の定義・意味」、「医療従事者と高齢者のどちらが優先か」及び「医療従事者と高齢者の優先接種順位の違い」については、令和三年二月九日に開催された新型インフルエンザ等対策有識者会議新型コロナウイルス感染症対策分科会において取りまとめられた、新型コロナウイルス感染症にかかった際の重症化リスクの大きさ、同感染症の患者(同感染症にかかっていると疑われる者を含む。)に対する医療提供体制の確保の必要性等を踏まえ、医療従事者等、高齢者、高齢者以外で基礎疾患を有する者及び高齢者施設等の従事者の順に同感染症に係る予防接種(以下「予防接種」という。)を行い、その後、それ以外の者に対し、予防接種に係るワクチンの供給量や地域の実情等を踏まえ、順次予防接種を行うとの基本的考え方のとおりである。

二について

 御指摘の「その対象の者全てが接種を先に終える」の意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねについては、「新型コロナウイルスワクチンに係る予防接種の高齢者に次ぐ接種順位の者(基礎疾患を有する者等)への接種の開始等について」(令和三年四月二十一日付け厚生労働省健康局健康課予防接種室事務連絡)において、「医療従事者等への接種完了を待たずして四月十二日の週から高齢者への接種が限定的に開始されている」、「高齢者から、次の接種順位である基礎疾患を有する者等への接種へ進む際には、高齢者への接種の完了を待つ必要はなく、自治体において、高齢者の接種状況や予約の空き状況を踏まえ、順次、次の順位へ接種を進める。この際、自治体は基礎疾患を有する者等への先行予約期間の設定などにより、基礎疾患を有する者等が優先的に接種できる機会を設ける」及び「先行予約期間内であっても、予約の空き状況がある場合などは、基礎疾患を有する者等の接種機会が損なわれない範囲でそれ以外の者も予約可能とすること」と示しているとおりである。

五について

 政府としては、御指摘の「職域接種」について、「新型コロナワクチンの職域接種の開始について」(令和三年六月一日付け厚生労働省健康局健康課予防接種室事務連絡)において、「企業単独での実施のほか、中小企業が商工会議所等を通じて共同で実施すること、企業が下請け企業など取引先も対象に含めて実施すること・・・なども可能」としているところであり、令和三年六月一日の記者会見において、加藤内閣官房長官が「一般接種の対象者の中で、企業や大学等の協力により職域を通じて接種を受けていただく方が増えていくことで市町村が実施する一般接種もより受けやすくなり、接種が加速化することが期待をされております」と述べているとおり、「職域接種」も推進することにより、可能な限り早く国民の皆様が予防接種を受けることができるよう、政府一体となって取り組んでまいりたい。

六について

 お尋ねの「集団免疫」については、厚生労働省ホームページの「新型コロナワクチンQ&A」において、「人口の一定割合以上の人が免疫を持つと、感染患者が出ても、他の人に感染しにくくなることで、感染症が流行しなくなる状態のこと」であり、「新型コロナワクチンによって、集団免疫の効果があるかどうかは分かっておらず、分かるまでには、時間を要すると考えられています」と示しているところである。

七について

 御指摘の「収束」については、新型コロナウイルス感染症に係る国内外における感染状況、予防接種の実施状況、「変異株」の動向、社会情勢等の具体的な状況に即して判断すべきものであり、その時期を明確に示すことは困難である。