質問主意書

第204回国会(常会)

答弁書


内閣参質二〇四第五八号
  令和三年四月二十日
内閣総理大臣 菅 義偉


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出新型コロナワクチンの接種体制及び開発体制に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出新型コロナワクチンの接種体制及び開発体制に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 お尋ねの「国産の新型コロナワクチン」の「開発が遅れた原因」及び「開発」の「方針」については、令和三年三月十六日の参議院厚生労働委員会において、田村厚生労働大臣が、「過去、ワクチンというものが国民の皆様方に不信感を、不安感を持つようなことがあったということがあるんだと思います。それから、そもそもワクチンの供給メーカーが・・・研究機関等々から発展したところが多いわけでありまして、そういうようなものもあるんだと思います。それから、今般の新しいワクチン・・・に関しては、やはりエボラでありますとかSARS等々で既に欧米が先行して・・・進めておられたというようなこともあるんだと思います。いろんな理由があって、その中には、コロナの感染者が欧米に比べて日本は少ないですから、治験がなかなか進まないということもあろうと思います。ただ、・・・研究開発、そして供給できるような体制をつくっていかなければならないということで、今般、新型コロナに関して・・・補助金を一次、二次、三次という形で補正で今年度、予算付けさせていただきました。(中略)これからしっかり研究開発等々も進めて、日本発のワクチンが作っていけるような環境整備も整えてまいりたいというふうに考えております」と答弁しているとおりである。

 また、お尋ねの「国産の新型コロナワクチンに関する今後の開発の見込み」については、現時点で予断をもってお答えすることは困難である。

三について

 お尋ねについては、令和三年二月八日の衆議院予算委員会において、菅内閣総理大臣が、「ワクチンの承認が欧米諸国と比べてなぜ日本は遅いんだと・・・言われます。我が国は、感染者数が欧米諸国よりも一桁以上少なく、治験での発症者数が集まらなくて、治験の結果が出るまでにかなり時間を要するということが一つ。また一方で、ワクチンは、人種差が想定され、欧米諸国の治験データのみで判断するのではなくて、やはり日本人を対象とした一定の治験を行う必要があることなど、有効性、安全性に配慮した結果、時間を要したということであります」と答弁しているとおりである。

四について

 お尋ねについては、令和三年三月十二日の参議院本会議において、河野国務大臣が、「自治体においてワクチン接種に係る人的体制を整備していただいておりますが、政府としては、自治体の接種体制の構築に向けた準備を後押しするため、医療関係団体に対し接種体制の構築についての協力を依頼するとともに、都道府県医師会理事の会議において厚生労働省から定期的に説明を行うなど、医療関係団体との連携体制構築に努めております」と答弁しているとおりである。

五について

 新型コロナウイルス感染症に係る予防接種(以下「予防接種」という。)に係るワクチンの供給については、これまでも、確定した情報を速やかに公表しているところであり、引き続き、可能な限り早く国民の皆様が予防接種を受けることができるよう、政府一体となって取り組んでいく考えである。

六について

 御指摘の「接種委託費用の適切な水準」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「二千七十円」については、通常の医療機関における予防接種のために必要とされる費用を算定して決定したものであり、「至急再検討すべき」とは考えていない。

七について

 「特に訪問の上、個別に行う接種行為について、適正な手当加算の設定等を検討するべき」との御指摘については、新型コロナウイルスワクチン接種対策費負担金及び新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業費補助金に関し、「新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業(都道府県実施・市町村実施)の上限額の考え方等について」(令和三年一月二十二日付け厚生労働省健康局健康課予防接種室事務連絡)において、「「接種対策費負担金」において、接種の費用として、通常の医療機関でワクチン接種のために基本的に必要となる費用として、接種一回あたり二千七十円を措置する」とともに、「市町村が設ける会場など通常の予防接種での対応を超える経費(感染防止、会場借り上げ、会場の運営に必要な経費等)については、「接種体制確保事業補助金」において措置する」としているところであり、市町村(特別区を含む。)から委託を受けた医療機関が訪問により個別接種を行う場合についても、当該負担金により「接種一回あたり二千七十円を措置する」とともに、地域の実情を勘案して合理的に必要と考えられる予防接種に係る費用を当該補助金の補助対象とすることとしている。