質問主意書

第204回国会(常会)

答弁書


内閣参質二〇四第三二号
  令和三年三月十九日
内閣総理大臣 菅 義偉


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員浜田聡君提出成年被後見人に対する新型コロナワクチン接種について成年後見人が医療機関等から同意を求められることに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田聡君提出成年被後見人に対する新型コロナワクチン接種について成年後見人が医療機関等から同意を求められることに関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の「同意」の意味するところが明らかではないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。なお、民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百五十八条においては、成年後見人は、成年被後見人の生活、療養看護及び財産の管理に関する事務を行うに当たっては、成年被後見人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならないと規定されている。

二から四までについて

 「成年後見人には、成年被後見人が受ける接種に関し、同意権はないものと思慮するが、政府の見解如何」及び「このような状況で、当該成年被後見人に対し、ワクチン接種を行うことは、法的に可能なのか」とのお尋ねについては、一についてでお答えしたとおりであるが、政府としては、成年被後見人が新型コロナウイルス感染症に係る予防接種(以下「予防接種」という。)を受ける場合は、当該成年被後見人の意思を可能な限り確認する必要があると考えている。また、御指摘の「事理弁識能力が全くなく、認知機能も大幅に低下しているような成年被後見人」に対する予防接種についても、当該成年被後見人の意思が尊重される必要があると考えている。
 予防接種実施規則(昭和三十三年厚生省令第二十七号)第五条の二第一項において、「文書により同意を得なければならない」と規定されているのは、「予防接種を行うに当たって」被接種者又はその保護者の意思を尊重する観点から必要な手続を定めたものであり、保護者の同意があれば、成年被後見人の意思に反して予防接種を受けさせることができるとの趣旨ではない。