質問主意書

第204回国会(常会)

質問主意書


質問第一二六号

ケアリーバーに関する全国調査結果に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和三年六月十六日

牧山 ひろえ


       参議院議長 山東 昭子 殿



   ケアリーバーに関する全国調査結果に関する質問主意書

 虐待や貧困などにより親元で暮らせない子どもを児童養護施設や里親家庭等の下で育む「社会的養護」を巡り、厚生労働省の研究班は令和三年四月三十日、ケアリーバー(児童養護施設などから離れた人。以下同じ。)の実態に関する初の調査結果を公表した。社会的養護下の児童は現状で約四万五千人であり、これらは原則として十八歳までに自立することになるが、親元を頼れずに困難を抱えがちだと指摘され、支援の拡充が求められている。

一 この種のケアリーバーを対象とした全国的な実態調査が行われたのは今回が初であり、今後も継続して定期的に実施すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

二 今回の調査結果でもケアリーバーの実態や支援の状況には地域差が大きいことが示されており、支援の拡充のためには地域単位での実態調査も必要と考える。国は自治体によるこうした調査を後押しすべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

三 最終学歴に関しては、中学卒・高校卒が八割を占める一方、大学や短大、専門学校などを卒業したケアリーバーは一割強にとどまっている。ちなみに四年生大卒は二%に過ぎず、全体の大学進学率五十四・四%(文部科学省による「令和二年度学校基本調査(確定値)」)と比較すると大きな差がある。

ケアリーバーであるために希望に反して進学や学業の継続を諦めるようなことは望ましくないと考えるが、ケアリーバーの学業継続のための支援についての方針を明らかにされたい。

四 今の暮らしの困りごと(複数回答)については「生活費や学費」が三十四%。また、「収入より支出が多い」、つまり赤字家計が二十二・九%に上った。過去一年間に医療機関を受診できなかったケアリーバーは二十・四%であり、経済的な困窮の状況が明らかとなっている。

ケアリーバーの経済困窮の原因について政府の認識を示されたい。

  右質問する。