質問主意書

第204回国会(常会)

質問主意書


質問第一〇九号

政策評価法に基づいたプラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律の規制の事前評価書に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和三年六月十五日

浜田 聡


       参議院議長 山東 昭子 殿



   政策評価法に基づいたプラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律の規制の事前評価書に関する質問主意書

 行政機関が行う政策の評価に関する法律(以下「政策評価法」という。)では、政策の評価の客観的かつ厳格な実施を推進しその結果の政策への適切な反映を図ること等を目的としており、行政機関に規制の事前評価及び事後評価等を行うことを正式に義務づけた。これに基づき環境省においても環境省政策評価基本計画が定められ、対象となる政策についての事前評価及び事後評価がなされ、環境省ウェブサイトで公表されていると承知している。今国会においてプラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(以下「プラスチック新法」という。)が成立した。私自身、プラスチック新法についてはその目的に賛同し、法案採決では賛成している。他方、プラスチック新法は国民に新たに規制を課す法律であり、国民からの関心度が非常に高い法律であるため、事前評価の内容について国民へ広く知らしめる必要があると考える。プラスチック新法の政策評価法に基づく事前評価書(以下「同評価書」という。)について以下質問する。

一 プラスチック新法において削減目標となっているプラスチック使用製品廃棄物に関して、事業者が排出する廃棄物と家庭で排出する廃棄物との割合はどのようになっているか。また、その根拠も示されたい。

二 同評価書における「二 直接的な費用の把握」について、遵守費用の試算の根拠となる資料はそれぞれ何か。また遵守費用の試算に伴い調査等を行ったのか、行ったのであればその詳細を伺う。また、遵守費用の試算の具体的な指標ごとの数値をそれぞれ伺う。

三 同評価書における「三 直接的な効果(便益)の把握」について、「規制の導入により、プラスチック使用製品廃棄物の排出量が削減されるとともに、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制及び再資源化等が推進されることで、プラスチック資源循環戦略に盛り込んだマイルストーン(二〇三〇年までに使い捨てプラスチックを累積二五%排出抑制、二〇三五年までに使用済プラスチックを一〇〇%有効利用、二〇三〇年までに再生利用を倍増等)に近づくとともに、プラスチック使用製品廃棄物の処理に係る社会的費用が削減される。」とあるが、この根拠となる資料や、調査内容、具体的にどういった指標を定め、同評価書五に定められたそれぞれの指標が二〇三〇年までにいくつの目標値に達する試算となるのか伺う。また、「金銭価値化は困難」と判断した根拠を伺う。

四 同評価書における「四 副次的な影響及び波及的な影響の把握」について、国民の消費行動の変化やプラスチック製品の製造事業者側の影響などの経済影響について等、規制をすることで考えうる様々な波及的な影響についての評価は行われたか。行わなかった場合、その理由を示されたい。

五 プラスチック新法においては、プラスチックスプーンの有料化等といった施行令の内容により費用便益分析は異なってくると考えられるが、例えばこの指標がこの数値以上とならないようにする等、施行令を定める上で判断基準となる費用便益分析における指標は定められているか。定められていない場合はその理由と、副次的及び波及的な国民への影響をどのように考慮した上で、どのような判断基準で施行令を定める方針か伺う。

六 同評価書における「八 事後評価の実施時期等」について、事後評価は「法律施行後五年を経過した時に事後評価を実施する」とあるが、五年と定めた根拠について伺う。また事後評価を行う前に、進捗モニタリングとして指標の経過等を検証していく考えはあるか、また検証する考えがない場合、その理由を伺う。

七 同評価書における「八 事後評価の実施時期等」について、効果(便益)のそれぞれの指標の算出根拠については「対象事業者への調査・ヒアリング、民間団体等の調査結果に関する情報収集等により把握」とあるが、具体的にそれぞれの指標をどのように算出していくのか。

 なお、本質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、転送から七日以内での答弁は求めない。国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内には答弁されたい。

  右質問する