質問主意書

第204回国会(常会)

質問主意書


質問第一〇五号

本年五月二十八日に北海道稚内沖でロシア国境警備局に拿捕され、六月十日に罰金を支払い解放された「第一七二栄宝丸」に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和三年六月十四日

鈴木 宗男


       参議院議長 山東 昭子 殿



   本年五月二十八日に北海道稚内沖でロシア国境警備局に拿捕され、六月十日に罰金を支払い解放された「第一七二栄宝丸」に関する質問主意書

 北海道稚内市沖のオホーツク海で本年五月二十八日にロシア当局の臨検を受けて拿捕され、サハリン島南部コルサコフに連行された底引き網漁船「第一七二栄宝丸」が罰金を支払い解放されたことに関し、以下、質問する。

一 本年六月十日、「第一七二栄宝丸」が罰金を支払い解放された。同月九日午前〇時二十二分配信の共同通信の記事で、「ロシアの国境警備局は、栄宝丸がロシアの排他的経済水域(EEZ)に無許可で侵入したと主張。船側が罰金額に同意したため裁判は行われない」とされているが、日本の排他的経済水域(EEZ)を超えていないとする政府の方針に変わりはないか。

二 ロシアの外務省は本年六月三日、公式サイトで声明を発表し「漁船はサハリン沖のロシアの排他的経済水域で見つかり、要請に応じずに逃走をはかって危険な操船をして衝突の危険をおかした」と主張した。同月四日、茂木敏充外務大臣は閣議後の記者会見で「日本側としては、関係者による説明や分析も踏まえて、漁船は、日本の排他的経済水域内で操業していたと認識しており、ロシア側の抗議は受け入れられない。ロシア側に乗組員と船体の即時釈放を求めており、引き続き、早期解決に向けて、全力で対応に当たりたい」と述べていた。

 日本の排他的経済水域(EEZ)内で操業していたなら、なぜ、罰金を支払う必要があるのか、事実関係を明らかにされたい。

三 「第一七二栄宝丸」が罰金を支払ったとするならば、「漁船はサハリン沖のロシアの排他的経済水域で見つかり、要請に応じずに逃走をはかって危険な操船をして衝突の危険をおかした」というロシアの主張を、日本として認めるのか、政府の見解は如何。

  右質問する。