質問主意書

第204回国会(常会)

質問主意書


質問第八一号

新型コロナウイルス感染症対策ワクチン接種に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和三年六月二日

蓮 舫


       参議院議長 山東 昭子 殿



   新型コロナウイルス感染症対策ワクチン接種に関する質問主意書

 菅総理は、令和三年五月二十八日の記者会見でも「感染を防止し収束へ向かわせる切り札が、ワクチンです」と述べるなど、ワクチン接種を対策の切り札として進めている。

 一方、ワクチン接種の接種順位について、厚生労働省ホームページにおいて、(一)医療従事者等、(二)高齢者(令和三年度中に六十五歳に達する、昭和三十二年四月一日以前に生まれた方)、(三)高齢者以外で基礎疾患を有する方や高齢者施設等で従事されている方、(四)それ以外の方としている。また、同ホームページにおいては、「優先順位」との表現も用いている。

 接種順位一位である医療従事者等(約四百八十万人)への接種は、令和三年二月十七日から開始されたが、令和三年四月十二日時点で二回目接種割合が一・五%に満たない中、第二順位の高齢者への接種が開始された。

 令和三年六月一日現在、接種順位一位の医療従事者の二回目接種割合は約六十五%と進捗しつつあるものの、まだ完了していない。また、政府が七月中に完了させるという第二順位の高齢者の令和三年六月一日時点の二回目接種割合は一・三%となっている。

 そのような中、令和三年六月一日に行われた会見において加藤官房長官は、医療従事者を自ら確保することなどを前提に、令和三年六月二十一日から学校等を含む職域接種を可能とする旨を発言した。これを受け、一部大企業等では職域接種に向けて検討を開始したとの報道もある。

 このようにワクチン接種は、当初定めた優先順位があるものの、順位内の対象者への接種が十分に進まない中で、次の順位の対象者への接種が開始されている現状がある。そこで、以下、質問する。

一 政府のいう「接種順位」の定義・意味は何か。

二 政府のいう「優先」とは、その対象の者全てが接種を先に終えるとの意味か。

三 医療従事者の二回目接種終了前に、高齢者接種が開始されたが、医療従事者と高齢者のどちらが優先か。

四 医療従事者と高齢者の優先接種順位の違いの理由は何か。

五 令和三年六月二十一日時点では、日本全体で接種順位二位の高齢者への接種が終わっていないと考えられる。また、医療従事者以外の社会を支えているエッセンシャルワーカーの方々や大企業等と異なり、自前で医療従事者や会場を確保できない中小零細企業で働く方々、大企業で働く方でも派遣社員等の方々などは、一部は職域接種の対象になるかもしれないが、多くの方々は職域接種の対象外になる可能性が高い。このような方々にとっては、一部大企業や大学等で接種が進むことに不平等との指摘があるが、どう考えるか。

六 政府の考える集団免疫の定義は何か。また、我が国において、集団免疫はいつ頃できると認識しているか。令和三年七月末までに集団免疫ができると考えているか。

七 「切り札」であるワクチン接種は、感染を防止し収束に向かわせるため行うと菅総理が発言しているが、収束に向かう時期は、いつと考えているか。令和三年七月末までか、希望する日本人全員接種が終わった後か、変異株にも対応できる新たなワクチン開発及び再度の接種終了までを含めてか、示されたい。

  右質問する。