質問主意書

第204回国会(常会)

質問主意書


質問第七九号

月刊「正論」七月号の公安調査庁次長横尾洋一氏と作家・元外務省主任分析官佐藤優氏の対談に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和三年六月二日

鈴木 宗男


       参議院議長 山東 昭子 殿



   月刊「正論」七月号の公安調査庁次長横尾洋一氏と作家・元外務省主任分析官佐藤優氏の対談に関する質問主意書

 本年六月一日に発売された月刊「正論」七月号において、「特集 日本共産党に騙されるな 革命路線に変わりなし 過去と現在の主張から読み解く」というタイトルで公安調査庁次長横尾洋一氏と作家・元外務省主任分析官佐藤優氏が対談している。本件記事を踏まえ、質問する。

一 横尾洋一氏は、「我々は政策立案にはタッチしませんが、正確な情報を質・量共に深く集める。根拠となっている法律が破壊活動防止法です」、「当庁ではいわゆるオウム真理教、過激派、共産党、右翼、国際テロリズム等や北朝鮮・中国・ロシア等の周辺諸国を始めとする諸外国の情勢に関する情報収集をしています」と述べている。公安調査庁は、「破壊活動防止法に基づく調査対象団体である日本共産党」という認識のもと、情報収集をしていると思うが、政府の見解は如何。

二 佐藤優氏は、「二〇一九年三月二十三日及び二十四日に日本共産党国会議員団事務局名で「野党共闘の分断をもくろむ日本共産党へのいわれなき攻撃」と題した文書を出しました。この中で、「「敵の出方論」=「暴力革命」が成り立たないことははるか前に決着ずみ」「党の正規の方針として「暴力革命の方針」をとったことは一度もない」などと主張しています」と述べているが、これは二〇一九年三月二十三日付けで日本共産党ホームページにも掲載されている。「日本共産党は破壊活動防止法に基づく調査対象団体」としている政府の見解と齟齬があるが、現在の政府の認識は如何。

三 横尾洋一氏は、「公安調査庁が日本共産党の調査をつづける「根拠」として挙げているのは、日本共産党が「敵の出方論」をもっていることと、「暴力的破壊活動」にあたる行為を過去におこなった疑いがあること、という二点です」と述べているが、政府の見解は如何。

四 佐藤優氏は、「将来の展望についても志位氏はこう述べています。私たちは、ずっと将来の展望としては、天皇の制度は、世襲にもとづく制度ですから、「人間の平等の原則」と両立しない、だから民主共和制の実現をはかるべきだとの立場に立っています」と述べており、本年二月二十八日のしんぶん赤旗「N高政治部 志位委員長の特別講義(八) 共産主義、天皇制「各人の自由な発展が万人の自由な発展の条件」に」に詳細が掲載されている。政府はこのことを承知しているか如何。

五 横尾洋一氏は日本共産党に関し、「「改憲政党」という言い方の是非はさておき、共産党の方針として、「民主共和制の政治体制の実現をはかるべきとの立場に立つ」ということが綱領に明記されていることはお伝えしておきます」と述べており、この内容からして、日本共産党は改憲政党だと思うが、政府の見解は如何。

六 佐藤優氏が、「共産党をなぜ調査対象にしているのか、その危険性に対する公安調査庁の認識を教えて下さい」と尋ね、横尾洋一氏は、「日本共産党は昭和二十六年から同二十八年頃にかけて、団体の活動として革命の正当性や必要性を主張し、各地の党組織や党員が殺人や騒擾(そうじょう)などの暴力主義的破壊活動を行った疑いがあります。現在においても、いわゆる「敵の出方論」に立った暴力革命の方針に変更はないと我々は認識しております」と答えている。日本共産党に対する公安調査庁の認識に関し、政府の見解は如何。

  右質問する。