質問主意書

第204回国会(常会)

質問主意書


質問第五八号

新型コロナワクチンの接種体制及び開発体制に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和三年四月九日

牧山 ひろえ


       参議院議長 山東 昭子 殿



   新型コロナワクチンの接種体制及び開発体制に関する質問主意書

 新型コロナワクチンの接種体制及び開発体制に関する我が国の課題や改善方策について以下のとおり質問する。

一 新型コロナワクチンの開発に関し、現状、我が国は欧米と比較し、遅れを取っている。なぜ、国産の新型コロナワクチンの開発が遅れているのか。開発が遅れた原因についての政府の見解を示されたい。

二 国産の新型コロナワクチンに関する今後の開発の見込みを示されたい。また、政府として、国産の新型コロナワクチンの開発に対してどのように臨むのか、方針を示されたい。

三 国民に対する新型コロナワクチン接種について、ワクチン開発国以外の諸外国と比較しても極めて遅いペースである。ワクチン接種に時間を要している原因についての政府の見解を示されたい。

四 まもなく開始される高齢者への新型コロナワクチン接種を巡り、一部の自治体で接種数のピーク時に医師の確保が間に合わない懸念が指摘されている。ある新聞社の調査によると、集団接種会場で実際に接種する医師について、主要都市で計画の六割しか確保できていない。個別接種でも協力医療機関は七割止まりとのことである。この現状を踏まえ、各自治体における接種医師数の確保に向けて、国としてどのような対応をする方針か示されたい。

五 新型コロナワクチンの詳細な供給量と供給時期が分からないと、自治体としても接種医師確保の計画を立てようがない。政府としては、これらの情報の迅速な公開を行うべきと考えるが、政府の方針を示されたい。

六 新型コロナワクチンの接種委託費用については全国一律の単価とされており、接種一回目、二回目とも共通の二千七十円とされている。この費用は同種の接種委託費用と比較しても低い水準であり、医療従事者の積極的な参画を促すのに不十分である。政府は接種委託費用の適切な水準について至急再検討すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

七 新型コロナワクチン接種に関して、自治体によっては、個別接種を積極的に勧奨しているケースも多い。個別接種の場合、自らの医療機関で来院した受診者に対して接種を行うこともあれば、訪問の上、個別に接種を行うケースも想定される。特に自宅介護のケースなどで後者の有用性は高いが、接種委託費用は一律となっており、このような手間をかけた接種行為は報酬に反映されない。特に訪問の上、個別に行う接種行為について、適正な手当加算の設定等を検討するべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。