質問主意書

第204回国会(常会)

質問主意書


質問第三四号

外国人技能実習制度をめぐる各種のトラブルに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和三年三月十二日

牧山 ひろえ


       参議院議長 山東 昭子 殿



   外国人技能実習制度をめぐる各種のトラブルに関する質問主意書

 外国人技能実習制度の運用をめぐっては、各種のトラブルが多発している。これについて、以下のとおり質問する。

一 最近、外国人技能実習生(以下「実習生」という。)の妊娠・出産をめぐるトラブルが相次いで報じられている。妊娠・出産は、人として当然有する権利であり、実習生がそれにより本意ではない退社や帰国に追い込まれるようなことはあってはならないことであると考えるが、政府の認識を示されたい。

二 妊娠・出産は、人として当然有する権利であるにもかかわらず、なぜ実習生の妊娠・出産に関してはトラブルが多発しているのか、その理由や原因について、政府の認識を示されたい。

三 実習生の妊娠・出産や、それを契機とする技能実習の終了及び帰国等について、政府は過去分も含め実態を把握しているか。把握している場合、その内容を示されたい。

四 実習生をめぐる背景として、母国のいわゆる「送り出し機関」との関係を示唆する複数の証言が当事者からなされており、各種の報道や二〇二一年二月十七日の参議院国民生活・経済に関する調査会等でも言及されている。例えば、(1)「実習生の多くが、実費をはるかに上回る金銭を事前に母国の送り出し機関に支払い、多額の借金を背負った状況で日本に来日している」、(2)「実習生と送り出し機関の取り決めで、労働基準監督署及び弁護士への申告・相談や労働組合との関与を禁じているケースがある」、(3)「重篤の疾病の場合や妊娠の場合の強制帰国について送り出し機関の取り決めに定められているケースがある」などの証言がある。
 (1)、(2)、(3)のそれぞれの証言について、政府はこれらの事実ないしこれに類する事実を認識しているか。認識しているとすれば、これらの状況に対してどのような評価をしているか。個別に回答されたい。

五 実習生をめぐる各種のトラブルの根本的な原因の一つとして、母国の送り出し機関と実習生との関係があると考えるが、政府の見解は如何か。

六 前記五に関し、少なくとも政府として送り出し機関や機関と実習生との関係について、実態調査を行うべきと考えるが、政府の見解は如何か。行うべきではないと考える場合には、その理由も併せて示されたい。

  右質問する。