質問主意書

第204回国会(常会)

質問主意書


質問第二一号

新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和三年二月二十四日

塩村 あやか


       参議院議長 山東 昭子 殿



   新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種に関する質問主意書

 令和三年二月十四日、ファイザー社の新型コロナウイルスワクチンが特例承認され、同月十七日から医療従事者等に対する優先接種が開始された。新型コロナウイルスによる不安の解消につながるよう、広く迅速に接種を行う必要があることは言うまでもない。一方で、自身の立場によって、適切な医療が受けられず、ワクチン接種を受けられないという者もいると考えている。その上で、ワクチン接種の対象者には外国人も含まれると認識しているが、被仮放免者等、具体的なケースへの対応については示されていないと思われる。
 報道によれば、海外では新型コロナウイルスの感染拡大を予防するため、不法滞在している外国人に対しても、ワクチン接種を行う方針を示している国もある。日本国内においては、不法滞在者でも居住実態があれば受け付ける準備をしている自治体はあるものの、国の対応方針が不明確であることがネックになっているという声があるという。不法滞在者等の中には、本国での迫害や病気等の様々な事情を抱える人がいるのが実態であることから、ワクチン接種の対応には一定の配慮が必要であると考えている。
 このような観点から以下質問する。

一 基礎疾患を有する者に対するワクチンの優先接種については、自己申告で行うことを検討していると聞く。お薬手帳や診察券など、基礎疾患を有することを証明する書類を所持していない外国人でも接種が受けられるのか。

二 各自治体でワクチン接種に向けた準備が進められているところであり、日本に滞在する外国人へも速やかに対応するため、多言語対応などに積極的に取り組んでいるところもあると聞く。しかし、オーバーステイ等、自治体による実態把握が難しい場合も想定される。現在、政府が想定しているワクチン接種の対象となる外国人の範囲とその考え方について示されたい。

三 出入国在留管理局に収容されていた仮放免中の外国人は、接種対象に含まれるのか。過去の事例による被仮放免者に対するワクチン接種の状況を踏まえて示されたい。

四 日本に滞在する外国人の中でワクチン接種の対象とならない者はいるのか。そのような者がいる場合、どのようにワクチン接種の機会を確保するのか。

  右質問する。