質問主意書

第203回国会(臨時会)

答弁書


内閣参質二〇三第四三号
  令和二年十二月十五日
内閣総理大臣 菅 義偉


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員小西洋之君提出いわゆる「赤木ファイル」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小西洋之君提出いわゆる「赤木ファイル」に関する質問に対する答弁書

一、五及び七について

 お尋ねについては、令和二年十一月二十四日の衆議院財務金融委員会において、茶谷財務省大臣官房長が「予備的調査に関する法令としましては、衆議院規則第五十六条の二及び第五十六条の三、議院事務局法第十九条並びに議院法制局法第十条が定められているものと承知しています。また、平成九年十二月十一日の議院運営委員会決定においても、予備的調査に関する申合せがなされているものと承知しております。これらの法令などについて、政府として解釈をお示しすることは必ずしも適当でないと考えますが、衆議院御自身のウエブサイトにおいて、予備的調査は議院の国政調査権を補完するものであり、その調査協力要請は強制にわたるものではないとの解釈が示されているところでございます。」と述べ、また、同日の同委員会において、近藤内閣法制局長官が「一般論として、司法権の本質であり中核をなす裁判作用については、司法権の独立が保障されており、国会の権能の外にあることから、裁判所による裁判の行使に関して司法の独立にいささかでも反するような国政調査を行うことは許されないと解されております。現に裁判所に係属中の事件であるからといって、およそ国政調査の行使が許されなくなるわけではございませんが、一般論としては、民事、刑事を問わず、裁判所に係属中の事件について裁判所と同様の目的で行われるなど、当該事件に係る裁判に不当な影響を及ぼすような国政調査については、その要求を拒み得ると解されております。」と述べ、その上で、同日の同委員会において、大鹿財務省理財局長が「財務省としても、御要請いただいた多岐にわたる資料について、当時及び現在の財務省本省及び近畿財務局の職員合計約百三十名に対しまして必要な資料探索等の確認を行うなど、できる限りの協力をさせていただいたところであると認識しております。しかしながら、御指摘のファイル、メモにつきましては、現在係属中の国家賠償請求訴訟、これは民事ではありますけれども、これにおきまして、存否も含めて求釈明事項の対象となっておりますことから、訴訟の一方当事者である国としては、あくまで訴訟の場で国としての主張を明らかにし、裁判所の判断を仰ぐということが基本であって、訴訟外の言動等によって訴訟に対する司法審査に影響を及ぼすべきではないと考えておりまして、このため、訴訟外でお答えすることを差し控えさせていただいている」と述べたとおりである。

二について

 お尋ねについては、予備的調査は、衆議院規則第五十六条の二の規定に基づき、衆議院の委員会がその審査又は調査のために必要な調査として衆議院調査局長等に命じて行わせる調査と承知しており、政府としては、これまでの予備的調査について網羅的に把握しておらず、お答えする立場にない。

三について

 お尋ねについては、裁判所に係属中の事件について裁判所と同様の目的で行われる国政調査は、基本的には、当該事件に係る裁判に不当な影響を及ぼすものになり得ると考えられる。

四について

 お尋ねについては、令和二年十一月二十四日の衆議院財務金融委員会において、麻生財務大臣が「国家賠償請求訴訟及び予備的調査のいずれも文書改ざん等の問題の真相を明らかにすることを目的として御指摘のファイルの提出を求められていると承知をいたしておりますので、実質的に目的が同じものであると私どもは認識をいたしております。」と述べたとおりである。

六について

 お尋ねの「裁判所自身が・・・判断している」の意味するところが明らかではないため、お尋ねにお答えすることは困難であるが、裁判所に係属中の事件に関し国政調査の要求があった場合には、当該要求を受けた者において、当該要求が当該事件に係る裁判に不当な影響を及ぼすものとして当該要求を拒むかどうかを判断することとなると考えられる。